Mr.Win's Room

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Paul McCartney


ハンドライトの光が日の丸、ユニオンジャックに

日本武道館 2015年4月28日

-setlist-
1. Can't Buy Me Love
2. Save Us
3. All My Loving
4. One After 909
5. Let Me Roll It
6. Paper Back Writer
7. My Valentine
8. Nineteen Hundred And Eighty Five
9. Maybe I'm Amazed
10. I've Just Seen A Face
11. Another Day
12. Dance Tonight
13. We Can Work It Out
14. And I Love Her
15. Blackbird
16. New
17. Lady Madonna
18. Another Girl
19. Got to Get You into My Life
20. Being for the Benefit of Mr. Kite!
21. OB-LA-DI,OB-LA-DA
22. Back In The U.S.S.R
23. Let It Be
24. Live & Let Die
25. Hey Jude

-encore-
26. Yesterday
27. Birthday
28. Golden Slumber
29. Carry That Weight
30. The End

【感想】
Beatlesが武道館で来日公演を行ったのは1966年6月30日〜7月2日のこと。
「武道の聖地・武道館でポップ・ミュージックの公演をやるのは何事!」と街宣車まで登場し、3000人もの警備が配置されたこの時から48年間。
遂にPaulがおよそ半世紀ぶりに武道館のステージに立つ!ということで、(チケット代が4万円〜10万円と高額だったことも含めて)ニュースでも大きく取り上げられました。
思えばPaulの来日公演で武道館は鬼門でした。
75年に予定されていた公演は入国の見通しが立たず、80年には成田空港で大麻所持の現行犯で逮捕。
さらに昨年はウイルス性炎症で中止になるなど踏んだり蹴ったり。

今回もふたを開けるまではどうなるか分からない

これがファンの率直な気持ちだったのではないでしょうか。
私はチケットぴあの抽選でB席を早々に確保。ただ値段の高さもあってか、ぴあやネットオークションを見る限り、直前まで残席はあったようです。

当日は開場2時間前頃、チケット受け取りのために武道館へ。
おお!もうこの時間で会場外には人が溢れかえっている!



グッズ売り場は大盛況で、武道館限定Tシャツは早々に売り切れ予約用紙が配布されたのだとか。
そして、武道館正面を見ると……



言葉は要らないですよね。これを見た時、リアルタイムで聴いたのは"Flaming Pie"からという後追いの私でもグッとくるものがありました。



奥の方に行くとありました。チケット引換所。
代金支払時に受け取った領収書を見せて、チケット入りの封筒から1つ選び抜くという方式。
こんなチケット受け取り初めてです(笑)そして封筒を開くと……



これは格好いい!永久保存したくなるチケット。
開場時間までまだあるので、近くにある昭和館を見学し、さぁ入場!と思ったら、入場口から長蛇の列が。
どうやら、開場が遅れているようで、武道館裏手(!)まで500mぐらいの長い行列ができていました。
武道館公演で、こんなに並ぶのも初めてです(笑)
並んでいる間、Sgt Peperのコスプレをしている人たちが非常に目立っていました(笑)

本来の開演時間を過ぎた頃、ようやく中に入ったのですが、トイレ付近の壁などにBeatles来日時の写真が。









これも気分を盛り上げてくれました。そして客席へ。
2Fのステージ真横(より少し後ろ側)。
Paulが手前にあるピアノを弾くと全く見えなくなってしまう位置ではありますが、ブロック最前列で端席なのでノリやすい、広々とした良いポジションでした。
全ての客席にはキョードーから2013年の"Yesterday"以来のサプライズということで、ハンドライトが置いてあり、曲に合わせて自動で光るようにセットされているので、電源を入れて腕につけてくださいとのこと。
それにしても、とにかく凄いザワザワ感、熱気。50年近く待った武道館。
値段の高さもあってか「今日のライヴを伝説にしよう、したい」という観客のムードが伝わってきました。
開演前は何度かウェーブが起こったり、"Twist & Shout"に合わせて手拍子が起こったり。
こういうムードは、ストーンズの武道館以来です。



個人的には、この日に関しては具体的に「こんなセットリストで」といった願望はありませんでした。
無論、来日前は色々と聴きたい曲はありましたが、大阪、東京ドームの内容から、「あくまで今回は"Out There"ツアーですよ」というのがよく分かっていたし、まず、この小ささでPaulが観れるというのが嬉しいから。
結果的にレアな曲が聴けたら嬉しいですが、どんな内容にせよ、このムードならノリまくれると思ったからです。
そういう意味では、やはりこのワクワク感は、あの場所にいないと体験できないものです。

ちなみに会場外はこんな感じでした。



そして予定より1時間ほど遅れて会場が暗転。
大歓声の中、Paulが登場!1曲目は"Can't Buy Me Love"!
いきなりヴォーカルから入る、しかもアップテンポでライヴハウス向きのこの曲からスタート!
Paulが歌いだした時の熱狂は言葉にはできません。

こんばんは東京!武道館へようこそ!

これがこの日最初のPaulのMCでした。

そして"Save Us"。
今回、Beatlesソングを求める声が多かったと思うのですが、最新曲の"Save Us"を歌っているというところにも私はグッとくるものがありました。
Paulが50年近く現役で有り続けているということの証拠に他なりません。しかも、これまたスピード感のあるロックです。

Thank you 有難う。Thank you! ひさしぶ・・・久しぶり武道館!Are you ready!? Alright. Are you ready to have fan tonight? Are you ready? sounds good!

そしてキタっ!"All My Loving"だ!大好きなこの曲を武道館で聴いているんだからノレないわけがない。
ここまでの流れはあっという間でした。Paulのヴォーカルも絶好調。

Thank you. Great! OK! So, We play old songs...this next song is old song.This is one of first song I wrote with John.

オォ!Johnと一緒に書いた最初の頃の曲!!"One After 909"のイントロが流れた瞬間は、悲鳴にも似た大歓声が。
きっとPaulもBeatlesで来た時の黄色い悲鳴を思い出したでしょう(笑)
この曲といえば、Rooftop Concert。私はロンドンで見た工事中のアップル・ビルを思い出しました(笑)
また、ここまでの曲がどれもライヴハウス向きの曲ということもあり、武道館がCavern Clubのようにも思えました。
Paulも意識的にそういう曲を選んだのかも。

How great cloud here tonight!Anyway...I know you are..One, two..

こうして始まったのが"Let Me Roll It"。ここで一旦スローダウン。
ラストの"Foxy Lady"(Jimi Hendrix)を聴くのも今回はこれが最後。しっかりと耳に焼きつけねば!

懐かしい。OK!Great to be back here!当時はcrazy~!と思った(←英語) They did like ah~~~~!!(←黄色い悲鳴の真似)

"Paper Back Writer"はBeatlesの武道館公演でも演奏された曲だけに、ここでも大歓声が。
"Let Me Roll It"からの流れから、恐らくこの後はあの曲。

Oh! Baby!!武道館!!次の曲は奥さんNancyのためです。

予想通り、"My Valentine"。
Paulがピアノ席に行ってしまったので、スクリーンを見ます。スクリーンはこんな感じでした。



Thank you..OK. This next one is wingspan!

今ツアーの流れ通り次は"1985"!
1975年、1980年に観れなかったファンの方にとって、この日のこの曲はひとしおだったのでは。
WingsやLindaを思い出しながら聴いたファンに向けて次の曲は……

Thank you! Thank you! This next song is for Lynda

"Maybe I'm Amazed"!ここでのシャウトも物凄かった!
この後は、"I've Just Seen A Face"、"Another Day"が演奏され、それぞれ演奏前に、
・チョー最高!
・Do you have good time? ノッてるかい? Yeah~~!! Ah~~!(←黄色い悲鳴の真似)

と言っていました。

この後、Paulが「有難う」と言って、運ばれてきた小さな楽器を持ったので、ウクレレかと思い、あぁ、"Something"だなと思ったのですが、Paulの口から出た言葉は、

OK..Let's do the party!

え?パーティー?Paulが弾き始めると、あ、これウクレレじゃなくてマンドリンだ!
"Dance Tonight"が登場!"Memory Almost Full"からとは渋い!
比較的最近の、この曲を持ってくる辺り、Paulのこだわりが感じられます。

OK! This is good?? Yeah yeah!!武道館!武道館!

ノリノリのPaul!そして次は必殺のBeatlesナンバー"We Can Work It Out"!
"Dance Tonight"からの"We Can Work It Out"、最高でした。
さらには、"And I Love Her"、"Blackbird"と今ツアー定番のBeatlesナンバー2曲も。
それぞれの曲前に、
僕の日本語大丈夫?Thank you.有難う。
・Now, I just take look around...

と言っていました。

ここでPaulがマジックピアノに座ります。グランドピアノは見えない位置ですが、マジックピアノはよく見える位置で良かった♪

OK!Thankyou!Are you waitin' for this moment to be free?to arise?let's go!Ok this next one is"New"!

"New"は一回終わってから、リプライがありました。何か言ってたと思うのですが、よく聞き取れなかった。
「もう一回やってみよう!Are you ready?」的な内容だったと思います。
で、この曲の次といえば、やはりあの曲。

OK!!This song is 1960s!! You may remember it!

"Lady Madonna"も登場です。
ライヴ活動をしなくなった頃のBeatlesソング。武道館でもようやく登場!
Paulも武道館が日本のファンにとってどんな場所かを随分と意識していたようで、この後のMCでは、

Thank you!有難う!OK!I Ask...are there any people tonight go to see 1st Beatles show Budokan?

と聞いていました。チラホラと手が挙がり、拍手が。

Hahaha!! alright! very nice! Nice people..song here 次は世界初公開!

そう言ってPaulが演奏したのは"Another Girl"!
他公演も観ていたファン(私含む(笑))は、再びここで歓喜!でも個人的に最高だったのはこの次!
ここまで曲前は必ずやっていたMCもなく続いたのは"Got to Get You into My Life"!
これは盲点だった!まさか登場するとは思わず("Another Girl"もだけど)、大歓喜でした。
この曲でのシャウト、沢山の観客が一緒にやってました。

Thank you! this next song is from "Sgt.Peper"!"Being for the Benefit of Mr. Kite!"

"Being for the Benefit of Mr. Kite!"も演奏され、よく考えるとBeatlesソング4連続!それも色んな時期から!

Thank you..Ok..so, now...一緒に歌おうよ。You sing along this next song ok?

さらには"OB-LA-DI,OB-LA-DA"!この流れも素晴らしかった。中だるみみたいなものが一切なかった。
この後、いつもなら"Band On The Run"!さぁ来るか!?と思いきや、

いいじゃん!いいじゃん!絶好調!

と絶好調なPaulが演奏したのは"Back In The U.S.S.R"。あ〜!"Band On The Run"はカットされたか〜。
Beach Boysばりのコーラスを聴かせたPaulとバンド。Paulは再びピアノ席へ。

Thank you.You're great audience.very exciting..yeah..(この後、センターは?右は?左は?と観客席いじり)

そして始まった"Let It Be"。……とその時、ハンドライトが!!



おお〜〜!!!これは綺麗だ。
Brian Wilsonが「彼らの曲の中で一番ゴスペルっぽい」と言っていたこの曲。讃美歌のようなこの曲で、このライトは凄い!
感動的な"Let It Be"でした。

Wao..!You are so good! When I start to sing "Let it be", Let..oh!!(観客席のハンドライトにビックリしたポール)

ここまでくれば後は定番曲。次はWingsの誇る大傑作!"Live & Let Die"登場!
これもこの日のハイライトでした。なんとドーム同様にステージには火柱が!!
迫力、半端なかったです。火薬のにおいが2Fでも十分嗅げる近さでした。凄かった!

Thank you!ok..武道館!

次は"Hey Jude"。男子だけ、女子だけと合唱させるPaulは楽しそう。

sounds so good.yeah come on!ok歌って男子!one more time!男子!good voice!OK!歌って女子!おーいいぞ!Sweet!come on女子!ok!みんなで!

あらん限りをこめて一緒に歌いました。
そして本編はここで終了。
大きな拍手の中、戻ってきたPaul。

Thank you so much!Everybody say Yeah! OK! alright! hoo~~ ぶ・ど・か・ん!ぶどかん!ぶどかん!ok!(コール&レスポンス)

こんな面白いやり取りの後、間髪いれずに始まった"Yesterday"。
Paul...笑いを取った直後に"Yesterday"かい!(笑)

We want to sing one another!もっと〜?もっと聴きたい〜?tonight, everybody enjoy Budokan!!

この後は普段だと"Helter Skelter"。ここまできたらさすがに変わらないだろうなぁ……と思ったら始まったのはまさかの"Birthday"!

最後の最後でPaul、やってくれました!まさかの隠し玉!!!
勿論、私はライヴで聴くのは初めてです!

Thank you..Well,this is the last time in Japan.Beautiful time, beautiful people..
Everybody we love you...but..もう帰る時間です。we enjoy great time thank you.
お礼を言いたい人がいる。証明、サウンド、ライト、最高のクルーに感謝を!ファンタスティックなバンドにも。でも一番は、最高な日本のみんなに。君たちに。Yeah~!(英語)


さぁ、これで武道館公演も最後の曲。最後は勿論、あれで締めてもらわねば!

"Golden Slumber"〜"Carry That Weight"〜"The End"!

最後の"The End"は思わず涙が。色んな人の50年近い思いが結実した見事なラストでした。

This is so beautiful, This is legendary night! Thank you 武道館!
また会いましょう!またね!See you next time!!


なんと最後はPaulから"Legendary Night"とのメッセージ!
本人も後でこんなコメントを出していました。

初めてここ武道館に立った日のことを思い出しながら、今夜の素晴らしい観客の前で演奏することができ、とても心動かされ、感極まる体験でした。49年ぶりに武道館に戻ってくることができて、とても興奮したと同時に、これまでの日本のショーでも最高のものだったと思います。とてつもなくクレイジーで、最高な夜でした。(スポーツ報知より引用)



個人的には、いわゆる伝説のステージというよりも、"素晴らしいショー"が観れたという思いで一杯です。
そんなロック・ショーを見せてくれたPaulには有難うを言いたいです。ってかPaul!もう毎年来日公演やっちゃいなよ!
次回の来日公演が楽しみです!

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