イタリア縦断 ボブ・ディランとイタリア芸術探訪の旅 vol.32 Casa di Dante(ダンテの家) ジョットの鐘楼を出た後、Via Dante Alighieri(ダンテ・アリギエーリ通り)を歩いて向かったのはCasa di Dante(ダンテの家)。 ここには、Chiesa Di Dante(ダンテの教会)、そしてダンテの生家博物館がある。 まずは教会。若い頃のダンテについては不明な点も多いが、一説によれば見習い修道士をやっていたとも。 そして階段を上がって、生家博物館。 実際には、ここで生まれたわけではないようだが、博物館では"神曲"はじめ彼にゆかりのある品が展示されている。 ヴェローナ編でも書いた通り、ダンテ・アリギエーリは「神曲」で有名な詩人であり政治家、哲学者だ。 フィレンツェで生まれ育ち、1200年代後半から1321年に亡くなるまで活躍した人物だが、「神曲」をはじめとする執筆活動が行われたのは、1300年代に入ってから。 その時、彼は政争の影響でフィレンツェを永久追放され、流浪の中にいた。 ダンテには9歳で出会い心奪われ、その後、9年後に再会し、熱烈な片想いをしたベアトリーチェという女性がいる。 結局想いは敵わず、別の男性と結婚した彼女は24歳で夭逝。 ダンテは深い悲しみに落ちると同時に、その後、著作の中で、彼女を永遠に愛する女性として描くことになる。 私は、彼のこの愛に、武者小路実篤と通じるものを感じる。 現時点で、神曲はじめ彼の著作をちゃんと読んだことがないのだが、このエピソードを知るにつれ、きっと読めば深く共感するだろうと思っている。 いずれ時間ができたら、ダンテについて知っていくのが楽しみだ。 教会、博物館と、全て回ってもそこまで時間はかからないので、近くに行った方は是非訪問して欲しい。 次へ (2013/11/06) |
|