イタリア縦断 ボブ・ディランとイタリア芸術探訪の旅 vol.17 【Galleria degli Uffizi(ウフィツィ美術館)】 ウフィツィ美術館は世界でも有数の大美術館だ。 "ウフィツィ"は"オフィス"という意味で、この地にかつての統治者・メディチ家の役所があったことに由来する。 この地は、トスカーナ地方の政治の中枢だったのだ。 規模は勿論、そこに所蔵されている作品群の知名度、フィレンツェにおけるロケーションの良さもあり、まさに最高の美術館の1つと言えるだろう。 それだけに客も多く、普通に入場しようとすると1時間半以上は待たされる。なので、アカデミア美術館のページで書いたとおり、事前にインターネット予約で購入していたチケットを受け取り中へ。 階段を上がると、そこからはひたすら長い回廊が待っている。それぞれの部屋には、それぞれのテーマに基づいたコレクションが並んでいる。 疲れたら、回廊の椅子で休み、再び別の部屋へ。入り口には日本語版のガイドブックを売っているので、まずはそれを購入し、好きな部屋を絞って観て行くことをおススメする。 以下、wikiも使いつつ主だった作品の感想をば。 ヴィーナス誕生 / ボッティチェッリ あまりにも有名な作品。もちろん絵の前には沢山の人だかりが。 観た瞬間の感想としては「思っていたより小さい!そして若干暗い!」だった。 とはいうものの、縦172.5cm、幅278.5cmということで、ひときわ目立つのは確か。 「女神とはいえ女性の裸体が艶かしく描かれたこの絵が、ジローラモ・サヴォナローラによって焼かれずによくぞ残ったなぁ」と、この絵自身がくぐり抜けてきた歴史に思いを馳せると、なんとも感慨深い気分になった。 受胎告知 / レオナルド・ダ・ヴィンチ 彼の伝記などには、 ・聖母の右腕の伸び方が異様 ・夜明けの設定にしては天使の影が濃い といった課題も指摘されているが、どうして、それすらも些細なものに感じさせるだけの画力を持つ作品だ。 ヴェロッキオ工房にいた頃のレオナルドに思いを馳せながら見入っていた。 メデューサ / カラヴァッジョ 実はウフィツィ美術館だけで4時間ぐらいいたのだが、最も印象に残ったのはカラヴァッジョの2作品だった。 順番どおり観ていくとかなり後半で登場するが、若干疲れ気味の中でもしっかりインパクトを残してくれたのがこのメデューサ。 題材がギリシャ神話でお馴染みのテーマということもあるが、なんというか迫力があるのだ。 キャンバスをはった板に油彩されたもので、実際に鎧の片腕につけられたらしい。 メディチ家も武器庫に展示していたようで納得だ。間違っても応接の間に飾ってはいけないシロモノ。 バッカス / カラヴァッジョ 酒神の顔が妙に日本人っぽい感じなので(実際には違うが)、一度観たら忘れられない本作だが。 左手に持つワイングラスの底部分、近づいてよく見るとかなりラフに塗られている。 それが遠くから見ると躍動感に変わっている(グラスを揺らしている感じ)のは凄いな、と思った。 「生で見てこその発見がある」という意味で一番印象深かった作品。 回廊の途中、ポンテ・ヴェッキオ(ヴェッキオ橋)とは反対側の風景。 ポンテ・ヴェッキオ(ヴェッキオ橋)は、向こう側にあるピッティ宮という建物と橋を越えて渡り廊下でつながっている。 これはヴァザーリの回廊と呼ばれるもので、メディチ家のコジモ1世が造らせたものだ。 ウフィツィの屋上から。 中での撮影が禁止のため、随分と簡単な紹介になっているが、実際には3時間ぐらいいた。 さすがに世界有数の美術館だけあり、有名作品が目白押しなのには興奮。 日本語ガイドも売っているので、ガイドを片手にポイントのみ丹念に観て行ったが、それでも随分と駆け足になった。 この後、遅い昼食はウフィツィ近くのレストランで。 今回はアサリのパスタ。ん〜美味しい♪ 食後、アルノ川沿いにヴェッキオ橋の方へ歩いてみた。 なんとも気持ち良い風。京都も鴨川沿いなど美しい光景があるが、フィレンツェも素晴らしい。 そうとしか言えない贅沢な空間だった。 さぁ、今日のフィレンツェ観光は一旦ここまで。ミラノで、ボブの公演が待っている。 次へ (2013/11/03) |
|