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イタリア縦断 ボブ・ディランとイタリア芸術探訪の旅 vol.14

【Galleria dell'Accademia(アカデミア美術館)】
1年ぶりのボブに興奮したミラノ初日が終わり、ミラノで2回目の朝。
今日は昼間、フィレンツェを観光する。
目的はイタリアを代表する2つの美術館、アカデミア美術館とウフィツィ美術館だ。

ミラノからフィレンツェには、ミラノ中央駅からユーロスター・イタリア(日本における新幹線)で約90分。
イタリアは飛行機も国内便が多数飛んでいるが、空港からの移動など考えると、素直に列車移動するのが無難だろう。


ミラノ中央駅のユーロスター乗り場

今日の朝食はミラノ中央駅構内で売っていたピザパン。
焼きたてで結構なボリュームの割りに3?と安いため、翌日の朝も、これを食べた。



朝8時頃出発し、フィレンツェに着いたのは10時頃。この時点での天気は曇り。


Stazione di Santa Maria Novella(フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅)。

フィレンツェに降り立ってまず目に飛び込むのは、駅舎を出て右側にあるサンタ・マリア・ノヴェッラ教会だろう。
この教会には後日訪れる予定。



そして眼前の道路を渡り東へ歩くと、細い道の両脇には、レストランやバー。それを抜けると、いたるところで露天商が革製品を売っている。これは凄い!



色々と買い物したい誘惑にとらわれつつ、まずはアカデミア美術館に向かわなければ!入館予定時間が迫っている。

イタリアの著名な美術館は観光客で非常に混む。
このため、当日券を買おうとすると1時間以上待たされることもざらだ。
そこでお勧めしたいのは、インターネットでの予約購入。

大抵の美術館は、公式ウェブサイト上で日時指定のチケット予約ができ、ここで買っておけば当日は並ばないで済む。
予約手数料は若干かかるが、旅行先での1時間は非常に大きいため、ストレスなく観光するために利用価値は大きい。
一方で、さほど混まない美術館は当日券で十分。
今回訪問した美術館だと、予約したのはアカデミア美術館、ウフィツィ美術館、それに明後日訪れる予定のサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会(ここは予約必須!)ぐらいだ。



さぁアカデミア美術館到着!
写真でも並んでいる人々が見えると思うが、当日券売り場は大混雑だった(写真右側の先には長蛇の列ができていた)
それを眺めつつ、入館。予約取っていて良かった!

アカデミア美術館といえば、なんといっても有名なのはミケランジェロのダヴィデ像だが、まず順番に観ていこう。

まず入ってすぐのエリアには、1490年代終わりから1500年代にかけて木版に描かれた絵画、ドメニコ・ギルランダイオが3聖人を描いた作品、フィリッピーノ・リッピの作品などが並んでいる。
バチカン・システィーナ礼拝堂の壁画装飾を担当したペルジーノ(ピエトロ・ヴァンヌッチ)の"十字架降架"(Deposition from the cross)は、元々、SS.Annunziata教会にあったようで大きさもあり圧巻。
いずれも宗教画で、奥にあるジョヴァンニ・アントニオ・ソリアーニの"処女懐妊に関する論争"(Dispute over the Immaculate Conception)は、色合いが美しかった。これは「無原罪の御宿り(処女懐妊)について教会博士たちが議論している場面で、上半分に描かれたマリアと下半分に描かれた博士たちのバランスも良い。
カトリックがプロテスタントに対抗し、マリア信仰を確立しようとしていた時代を反映した1作だ。

中央には彫刻家・ジャンボローニャの"サビニの女たちの略奪"(Rape of the Sabines)という石膏模型がある。
ジャンボローニャという人は、フランス生まれで、20代でフィレンツェに移り住んだ。
メディチ家の宮廷彫刻家の1人で、メディチ家は、彼がオーストリアやスペインといった他国で雇用されるのを恐れて、一歩もフィレンツェから出さなかったらしい。
それほどまでにメディチ家に重用された彼が初めて大掛かりな大理石彫刻像に挑戦するにあたってモデルとして作ったのが本作だ。(完成した大理石彫刻像は、シニョリーア広場のランツィの回廊に置かれている)
テーマとなった"サビニの女たちの略奪"というのは、古代ローマの挿話。
建国間もない頃のローマは女性が足りず、国家繁栄のため、サビニから女性を略奪した、という伝説的な挿話だ。

続く部屋には1300年代半ば以降の作品が。時代を反映し、ダイレクトにキリスト教について描いたものが並ぶ。
シモーネ・ディ・ラポによる"聖母マリアの戴冠"など。
さらに進むとクリストフォロ・ランディーノによる注釈付きのダンテ神曲や、都市間戦争における降伏の儀式の絵など、史料が並び、その奥には彫像の部屋、それもミケランジェロの彫刻一色の部屋が!
これは壮観!ミケランジェロによるピエタ像、聖マタイ像、沢山の囚人たちの像など。

そして奥にあるのがダヴィデ像!
これはもう圧倒的な存在感で予想以上に大きい!
横にはポッチェッリの"処女懐胎"(The Immaculate Conception)という1566年の大作もあるのだが、正直全ての印象をダヴィデ像にもって行かれた。
後ろからも見たが、肩にかけているものは、後ろ側もしっかり彫られており、臀部もちゃんと彫られている。

その奥には彫像がまとまって置かれているエリアもあるのだが、ダヴィデ像が圧倒的。
その次の部屋にある、テンペラ描法などによる木版へのキリスト絵画も、正直ダヴィデ像のインパクトには敵わなかった。

こちらで書いたミケランジェロの生涯を思い返しつつ、ショップではアカデミア美術館の公式ガイドブック(日本語有り!)など購入。
お腹いっぱいで美術館をあとにしたのでした。来て良かった!!
さぁ、次はいよいよウフィツィ美術館に向けて歩こう!

ところで、いよいよフィレンツェ!ルネッサンス美術!ということで、ここで簡単に「ルネッサンスとは何か?」を西洋美術史とともに簡単におさらいしたい。

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(2013/11/03)



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