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イタリア縦断 ボブ・ディランとイタリア芸術探訪の旅 vol.40

Piazza San Pietro & Musei Vaticani(+Cappella Sistina) (サン・ピエトロ広場 & バチカン美術館+システィーナ礼拝堂)

昨晩のライヴはスペシャルだった。その興奮も冷めやらぬ中、眠い目をこすって朝7時頃には出立。
まず向かうのはバチカン市国だ。
世界一小さな国でローマ教皇庁によって統治されるカトリックの総本山。バチカン市国自体が世界遺産となっている。







まず向かうのは、サン ピエトロ広場。
サン・ピエトロ大聖堂の正面にある楕円形の広場で、設計者はジャン・ロレンツォ・ベルニーニ。
沢山の石柱が広場を覆うのは、コロッセオからインスピレーションを受けたらしい。



眼前には大きなサン・ピエトロ大聖堂がそびえているが混んでいるので、先にバチカン美術館へ。
見学コースに、システィーナ礼拝堂やラファエロの間も含まれることで有名な美術館だ。
写真は基本的に撮影禁止だった(と思う)ので礼拝堂などは撮らなかった。



忘れられない思い出がある。
前日までの疲労がピークに達したのか、この日は朝から体が重めだったのだが。。
広い館内を観覧している最中、ある空間に入った瞬間歩けなくなり思わず跪いた。その場所がシスティーナ礼拝堂だったのだ。

ミケランジェロが描いた天井画、そして祭壇後部にある「最後の審判」は、一言で表すならば豪華絢爛。
まず丸みを帯びた天井一杯に描かれたのは「創世記」をテーマにしたもの。1508年から4年の歳月を経て完成している。

制作過程には面白いエピソードがいくつかある。
そもそも「自分は彫刻家」と思っていたミケランジェロにとって乗り気でない仕事だったとか、その腹いせか、発注者である教皇・ユリウス2世の希望(「十二使徒」の絵)を無視して、一層複雑な絵にしたとか。
制作を完全委任されたミケランジェロは、描くための足場作りに苦心もしつつ作業を進捗。
いざ始まってしまえばそこはアーティスト。途中、制作スタッフたちの技量に納得がいかなかった彼は、次々と衝突し、結果的に1人で制作した(!)とも伝わっている。
首を曲げて天井を見ながら描いているミケランジェロを想像すると、よくもまぁここまで描いたな、としか言いようがない。

その後20数年。ローマ略奪など歴史的な事件を経て、ミケランジェロは、時の教皇クレメンス7世に祭壇画の制作を命じられる。

壁面全体に広がる「最後の審判」。この壮大な絵を約5年間かけてミケランジェロは完成させた。
この壁面画制作でも、ローマ教皇の儀典長ビアジョ・ダ・チェゼーナが裸体画ばかり描くミケランジェロは「下品だ」と批判を展開。
その腹いせに、ミケランジェロはチェザーナを地獄の裁判官ミノスとして描く意趣返しをしている。

そんなシスティーナ礼拝堂。次代のローマ教皇選出の会議(コンクラーヴェ)もここで行われるそうだ。


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(2013/11/08)


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