イタリア縦断 ボブ・ディランとイタリア芸術探訪の旅 vol.28 Chiesa di Santa Maria delle Grazie(サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会) ボブのミラノ3公演が終わり、次は1日おいてローマ公演2公演となる。 今日は、ミラノでレオナルド・ダ・ヴィンチのL'Ultima Cena(最後の晩餐)を観てから、再びフィレンツェへ。 フィレンツェ探訪の続きをして、そのまま宿泊する。 初日からトラブルだったミラノの宿。でも良い宿だった。 フレンドリーなフロントと別れの挨拶をして、その足でChiesa di Santa Maria delle Grazie(サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会)へ。 ここに、あの「最後の晩餐」があるのだ。 「最後の晩餐」を見るには事前に見学ツアーの予約が必要。 1回につき30人程度が現地スタッフの先導で、壁画がある修道院の一室(元・食堂)に行き、説明を受け15分程度観覧する仕組みとなっている。 サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会のホームページ(イタリア語 or 英語)に見学受付日時がカレンダー表示されているので、Web予約、あるいは電話予約すれば良い。見学参加には30分前までに受付が必要なので、その点も注意したいところ。 時期によるのかもしれないが、数か月前に埋まることもあるため、旅程が決まったら早い段階で予約することをお勧めする。 やがて順番となり、中へ案内される。「最後の晩餐」に到るまでにも様々な絵画や塑像がある。 そしていよいよ「最後の晩餐」の間へ。 残念ながら撮影禁止なので、ここでは実際に観た印象、そして「最後の晩餐」に関して簡単に紹介しよう。 「最後の晩餐」は、レオナルド・ダ・ヴィンチが1490年代末におよそ4年をかけて描いた壁画だ。 題材となっているのは、キリストが「12弟子の中の一人が私を裏切る」と予言した時の様子で、キリストの言葉に各者各様の反応を見せているのが興味深い。 元々食堂だった部屋に描かれたこの作品、絵画の天井と実際の壁天井がつながり、奥行きのあるものになっている。 もう1つの特徴として、絵自体が以下の理由により、何度も大きな損傷を受けてきたことが挙げられる。 ・壁画に向かないテンペラ画の技法で描かれた ・制作当時、湿気の多い食堂であった ・後の度重なるずさんな修復で一層の損傷があった ・ナポレオンの時代には馬小屋として使われ、兵士たちが壁を的当て代わりに使うなどもあり大きく損傷 ・洪水での水浸被害もあった こうした損傷を踏まえ、1977年から1999年にかけて大規模な修復作業が行われた結果、後世の加筆は取り除かれたが、オリジナルの箇所も大分失われてしまった。 そんなわけで、なんとなくぼんやりとした部分もあるが、現在に到るまでの経緯も込みで「よくぞこれだけの絵が残ってきた」と20年以上かかった修復作業も含めて感動させられる。 がっくりとするヨハネ、裏切り者のユダ(余談だが、ボブ・ディランがマンチェスターホール公演で"ユダ!"と野次を受けたのは、このユダに由来している。熱心なフォークにとって、ボブのエレクトリック転向は、裏切り行為だ、という意味の野次であった)。その他の使途について、スタッフが説明をする中、参加者の誰もが感に打たれたように絵に見入っていた。 私が実際に観て一番感じたのは「思ったよりも小さい」ということ。それだけ奥行きと存在感がある証拠だろう。観れて良かった。 その他、教会にあった絵画や塑像の写真をいくつか。 そんなわけで世界遺産 サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の拝観も終わり。 さぁ、では再びフィレンツェへ!。 次へ (2013/11/06) |
|