イタリア縦断 ボブ・ディランとイタリア芸術探訪の旅 vol.11 【Museo Poldi Pezzoli(ポルディ ペッツォーリ美術館)】 【Pinacoteca Ambrosiana(アンブロジアーナ美術館)】 再びスカラ座の近くまで歩いていき、次に入るのはポルディ ペッツォーリ美術館。 ミラノ有数の貴族だったジャン・ジャコモ・ポルディ・ペッツォーリの遺した邸宅を美術館として公開している場所だ。 ピエロ・デル・ポッライウォーロの「貴婦人の肖像」が所蔵中の代表作らしいが、私としては「ヴィーナスの誕生」を描いたボッティチェッリの作品が展示されているのが来た目的。 この階段を上ると展示がある。 特に気になった作品は、"The Virgin and Child"と"The Dead Christ Mourned"。 1480〜1481年に描かれた"The Virgin and Child"は詩的でエレガントなスタイル。 一方、1495〜1500年に描かれた"The Dead Christ Mourned"は、ジローラモ・サヴォナローラによる勤勉・厳格の推進による影響で、1490年代初めから華美な絵を描くことを控えてしまったことが分かる1作だ。 2つの作品を同じ場所で比較すると、その違いがよく分かる。 続いて向かったのがアンブロジアーナ美術館。 この日は、レオナルド・ダ・ヴィンチの展示が行われているので、それ目当てで行ったが、美術館自体がそれなりの規模を持っており、日本語ガイドオーディオも借りれるため一通り回ってみた。 ラファエロの「アテナイの学童」の画板下絵は、完全に残るルネッサンス期唯一の画板だ。 8m以上×3m。とにかくデカい。 フランドル派の画家ヤン・ブリューゲルによるネズミとバラと毛虫が描かれた絵は、枢機卿にヤンが個人的に贈ったものらしい。 小さい作品の中に無数の題材が描かれている彼らしい作品。 ティッツィアーノの東方三賢者の礼拝、それにベルナルディーノ・ルイーニの茨の冠を被ったキリストなど色々と見所はあったのだが、1日中立ちっぱなしだったので、さすがに疲れてきた。 さぁ、そろそろ特別展示会場に進もうと思ったのだが、ドアに"Don't Open"と貼紙がある。 ……他に出口がないのですが。。 おかしい。どこかに出口があるのか!?先ほどまで回ってきた部屋を戻って確認するが、それらしい出口がない。 完全に「トルネコの不思議なダンジョン」に迷いこんだ気分。 結局、"Don't Open"のドアに戻ってきたのだが……みんな普通にドア開けて通ってる(・∀・) なんで!?イタリアでは「ルールは守るためにあるんじゃない!破るためにあるんだっ!!」なのか!? 唖然としつつ、そのまま私も"Don't Open"なはずのドアを通って別館へ。 おお!間違いない!レオナルド・ダ・ヴィンチ展と書いてある! 中に入るとレオナルド・ダ・ヴィンチの描いた設計図が並んでいた。 水車や自動のファイル切り分け機、ファイルに違うサイズの穴をあけられるドリル機など。 設計士、技術家としてのレオナルドの凄さが垣間見える。 そしてキリストの顔のポートレイトなど美術家としての断片も。 なんだか、ソングライターが書いた直筆歌詞を見るのと同種の感動がある。 いくつかの作品は、東京で2013年4〜6月に開催された「レオナルド・ダ・ヴィンチ展―天才の肖像」展のホームページで見たことがあるが、初見のものも多かった。 今回の旅にあたり、レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯については事前にいくつかの本で予習していた。 レオナルド・ダ・ヴィンチ博物館には行けなかったものの、運良くここで技術者としての素晴らしさも実感できたことは非常に嬉しい。 そして、ミラノでレオナルド・ダ・ヴィンチ、といえばあの作品が残っている。 勿論今回も訪問予定だが、それは3日後の話。 今日はひとまずここまで。いよいよ1年ぶりとなるDylanライヴまでもう少し! 次へ (2013/11/02) |
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