Mr.Win's Room

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ロンドン ブライアン・ウィルソン、ロイヤルオペラ&ブリティッシュ・ロック探訪の旅 vol.6

London calling!! 只今、ロンドンは朝7時00分。
昨日は2人のブライアンから沢山の感動と興奮をもらった。
そして今日の午後はロイヤルオペラハウス!そしてブライアンの最終日!
でもその前に、午前は市内でブリティッシュロック探訪の旅。

まず最初に行くのはRegent's Park。ストーンズのアルバム"Between The Buttons"のジャケット撮影が行われた場所だ。
地下鉄でそのものズバリな駅があるので行ってみる。降りて地上に出て北に歩くとすぐのところにあった。Regent's Parkだ。



Hyde Parkと並ぶ市内有数の公園。この公園の北側にあるPrimrose Hillでストーンズのジャケット撮影が行われた。
せっかくなので公園内を歩いてみる。わー!リスだ。かわええ!でも逃げ足(?)が早く上手く撮れない。残念。
それにしてもランニングしてる人多いな〜。僕も走りたいなぁ。
今回の旅で僕はランニングシューズは持ってきていない。
かなり歩くのは自明だったし本来なら持ってきたいところだが、オペラにランニングシューズはマズいだろうということで諦めた。
さすがに2足持っていくのはかさばるから嫌だったし。

……それでも走りたい欲求が抑えられず、底の薄い靴にもかかわらず1km程走った。う〜ん、いいなぁ、ここ。なんかハイテンションに。
向かい側から走ってきた学生ランナー(?)の集団と目が合って手を振る。
ハイテンションだったのと、昨日のブライアン・ライヴの余韻で思わず"Go! Johnny Go! Go!"と言ったら、向こうもノッてきて一緒に"Johnny B. Goode!!"
あぁ、ここはイギリスだな〜と実感(まぁ、チャック・ベリーはアメリカだけど)



ずっと北に歩いていたらRegent's Parkを出てしまったみたい。
でも綺麗な街並み。ちょっと歩いてみよう。



教会だ。そういえば一昨日行ったSoho Square横の教会からは賛美歌が聞こえてたな。



なんか歩いてるだけでワクワクさせられる。こういうところなら住んでもいいかもな。
この道を曲がった辺りにカフェがあった。ロンドンで思ったのはカフェにせよパブにせよ開放的だということ。
みんなオープンテラスでくつろいでいる。そして見知らぬ人同士でも自然と話が始まるのだ。
今回の旅は、とにかく行きたい場所が沢山あったので、歩いて歩いて歩きまわった。
だから、パブでのんびり……といったシーンがあまり無かったのだけど、それでも訪れた場所では何らかの会話があった。
特に音楽に関する会話には国境がない。クリッシー・ハインドが日本に来た時、"I can't speak Japanese. But, I can speak Rock'n'Roll"なんて格好良いセリフを言ってたけど、まさにそんな気分。
そして、何気ない公衆電話1つでも、こんなにお洒落だ。



あ、Primrose Hillの入口だ!



"Between the buttons"は、1967年2月にリリースされ、全米2位になった作品だ。
それまでのストーンズのアルバムはイギリス盤、アメリカ盤でタイトル、ジャケットに違いがあり、両国でいずれも一致した作品がリリースされたのは本作が初めてだった。
録音拠点をロンドンのオリンピックスタジオに移した時期で、ニッキー・ホプキンスが初参加したのも本作。
シングルになった"Let's Spend The Night Together"、"Ruby Tuesday"という2大傑作を軸に"Yesterday's Papers"、"Connection"なども収録された佳作だ。
ジャケットを撮影したのはジェレット・マンコーヴィッツ。
ジャケットは寒い季節に撮った感じだが(服装や木の状態、リリース時期からいっても冬場の撮影だろう)、この日のPrimrose Hillは暑すぎず寒すぎず。過ごしやすい気候だった。
ところでブライアン・ジョーンズは作曲ができなかったという定説があったが、アニタ・パレンバーグの主演映画"A Degree Of Murder"で音楽担当をしているし、最近になってキースやビルが"Ruby Tuesday"を作曲したのはブライアンと言っているらしい。
"Ruby Tuesday"を作ったとなると物凄い才能だ。キラキラとしたブリティッシュ・トラッドも感じさせる綺麗な曲。
そんな"Ruby Tuesday"を聴きながら僕はPrimrose Hillを後にした。

時間が惜しいのでPrimsose Hillを出た辺りでタクシーを拾う。そして行き先を告げる。
次に向かうのは……

"I want to go to Abbey Road Studio."

遂にこの時がやってきた!恐らくブリティッシュロックの聖地というと、一般的にNo.1はここじゃないだろうか。
勿論、BGMはビートルズの"Abbey Road"!



着いた〜!Abbey Roadだっ!!正面だけ見ると思ったより小さい。でも側面を見るに奥行があり、実際にはかなり広そうだ。
ここでビートルズが、ピンクフロイドが、ホリーズが、レコーディングをしたんだなぁ、と思うとやっぱり興奮する。


(違う角度から)



うわさ通り落書きも沢山。なんか日本人客が「ここに書けばいいのね?」と言いながらマジックで落書きしてた。。別に義務で書くようなものじゃないんだけど。。

そして世界一有名な横断歩道では撮影客が沢山。
↓は、比較的空いた時にパチリ。



ドイツから来たという観光客と、お約束通りビートルズと同じように歩いている写真をお互いに撮ったりして楽しかった。


(写真を撮ってくれたドイツからの観光客。4人の目線で撮ってみた)

この横断歩道はイギリス政府から建物以外では初めて歴史遺産に指定されたそうだ。そして観光客が写真撮影している際は、車の方が待たないといけないんだとか。
実際、交通量はかなり多いのに撮影ばかり行われていて、車からしたら迷惑そうだった(笑)
そんなAbbey Road Studioから5分ぐらい歩くと、ポール・マッカートニーの家があるので探してみた。



この辺かな〜。細かい地図がなかったのでたまたま車を出していた住人に聞いてみた。

「すいません、ポール・マッカートニーの家ってどれですか?」

「あれよ、あの2つ目の家」

2つ目。あ!あれだ!



あった。これがポールの家。ポールが60年代に自分で買ったそうで、"Penny Lane"や"Hey Jude"を作曲したのも多分ここ。メンバーもよく集まっていたらしい。
Regent's Park界隈もいいムードだったけど、この辺も閑静な住宅街で過ごしやすそうだった。
車を使えばすぐに街に出れるし、ポールものんびりとできたに違いない。こういう場所なら"Penny Lane"の軽快で明るいサウンドができたというのも納得。
ちなみにポールの家の向かい、すぐ近くにBilly Furyの住んでいた場所がある。



ブループレートをよく見てみる。



彼はビートルズと同じくリヴァプール出身の歌手、シンガーソングライター。
クリフ・リチャードなどと同じ時期から活躍しているからビートルズの先輩格にあたる。
特筆すべきは自作曲を歌っていたということで、ビートルズよりも早い段階で、自作自演をしていたブリティッシュ・ロッカーであること。
以前、RollingStoneか何かで読んだインタビュー記事で、キース・リチャーズが「好きなアーティストだったよ」と言っていた記憶がある。
同郷出身のスター同士がこんな近くに住んでいたというのもまた面白い。

さて、次の目的地にはまたタクシーで移動しよう。今日は何しろ時間がない。
タクシーを捕まえるにはAbbey Roadの方に戻った方がいい。あの辺は車がよく通っている。そう思って再びAbbey Roadを目指す。
きっとポールも同じ道を歩いたはずだ。曲を作ったポールがウキウキしながらスタジオに向かうのを想像しながらBGMは"Penny Lane"。


(ポールの家からAbbey Road Studioへの道)

運よくすぐにタクシーが拾えた。次に行くのはHard Rock Cafe!
後半へ続く)

(2011/09/18)



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