お目出たき人
【lyric】
川の流るる先見つめ、水の音容易く耳誘う
他の何を考えたとて、やがて君に辿り着いて
嗚呼、この想い如何にせん
ただ、ひたすらに愛しくて
他の誰も愛せなくて
ただ君に傍にいて欲しい
散りゆく花のそのひらに、我が心の模様浮かべて
他の誰を考えたとて、いつも君に胸焦がされて
嗚呼、この想い如何にせん
ただ、ひたすらに愛しくて
他の誰も愛せなくて
ただ君に側にいて欲しい
嗚呼、ただ君の名を呼ぶだけで、愛しくて
他の誰も愛せなくて
ただ君に側にいて欲しい
【self liner notes】
大好きな作家・武者小路実篤に"お目出たき人"という作品があります。
主人公の青年は、1人の女性に恋をする。
口を聞いたこともない、接点のない彼女への想いを募らせ、片想いし、"幸あれ"と心の中で叫ぶ。
妄想狂と呼ぶには、あまりにも純粋な恋慕の情が綴られた彼の自伝的小説です。
初めて読んだ時、その清廉で情熱的な文章に惹きこまれたのは、きっと私自身が似たような体験をしたことがあり、そして恋愛に対し武者小路実篤と近い価値観を有しているからなのだと思います。
この曲は、"お目出たき人"の主人公になったつもりで書いた曲です。
慕情と表裏一体の苦しさ、盲目的なまでに他の何も考えられない熱情。
そういう感情が伝わればよいなぁと思います。
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