エッセイ29 パーティー用ケーキ 私は甘いものが好きだ。 ケーキ、パフェから、大福、どら焼き。八橋に餡蜜、アイスクリームにシャーベット。なんでもいける口だ。 横浜・中華街に行くと必ずタピオカ、ココナッツ餅、月餅を購入する。それぐらい甘いものが好きだ。 特に聘珍樓の飲茶後のタピオカが……いや、その話は置いといて。 先日、ケーキ屋さんに入った時の話。 ショー・ケースに並ぶ色とりどりのケーキ達。 その日は、モンブランが食べたい気分だったので探したところ、運良く1個残っていた。 「これを買おう」と決めて、レジに並んだのだが。 前に並んでいた客が、パーティ用のケーキを買っていた。 かなり大きめのケーキだったので、「10人ぐらいで食べるんだろうな〜」と思い見ていたところ…… 客「あの、ケーキに文字とか入れてもらえます?誕生日ケーキとかみたいなやつ」 店員「かしこまりました。では、こちらのカードに、お名前と、記載する文字を書いて下さい」 どんな文字を入れるのか興味があったので、密かに客の手元を見たところ、「50歩100歩」と書いてあった。。 ふ〜ん。「50歩100歩」ねぇ。 ……「50歩100歩」? ……「50歩100歩」!? 一体、どんなシチュエーションで、このケーキが食べられるのだろう……!? 50歩君と100歩君という子供用の誕生日ケーキだろうか? いや、そんな名前付けられたら、グレていて誕生日どころじゃない気がする。 思わず、考え込んでしまうこと20秒少々。 まぁ、いいや。と気を取り直し、モンブランを注文しようとしたのだが。。 モンブランは売り切れていた。 私がぼーっとしている間に、次の客が、先にモンブランを注文してしまったらしい。 ちょっとだけ悲しかった。 |
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