ART 2001年5月26日(土)午後1時開演 会場:池袋サンシャイン劇場 作:ヤスミナ・レザ 演出:パトリス・ケルブラ 美術:エドゥアール・ローグ マーク:市村正親 イワン:平田満 セルジュ:升毅 【ストーリー】 「俺の友達セルジュが絵を買った。……白のラインの入った白い絵をね」 マークのこの独り言から物語は始まる。 登場人物はマーク、セルジュ、イワンの3人。 彼らは15年来の大親友。 彼らの関係に変化がおきたのはセルジュが買ってきた1枚の絵がきっかけだった。 白いキャンバスに白い線が入ってるだけの絵。 そんな絵にセルジュは500万も出したという。 嬉しげなセルジュを横目にマークはけげんな表情。 そしてついつい口走ってしまう。 「おまえ、なんだってこんな絵に……」 一緒に喜んでくれると思っていたセルジュにとっては、マークのこの一言は理解出来ない。 マークにとってもそんな絵を買うセルジュがわからない。 気まずくなった2人に気のいいイワンは巻き込まれ、3人の関係は思わぬ方向に…… 【客入り】 多少の空席はあったが、大体は埋まっていた。年齢層は高かった。 【感想】 "初めて観た市村正親さんの舞台"で、約90分程度を切れ味良く楽しめた。 本作はフランスでの初演(1994年)以来、オリヴィエ賞のベスト・コメディ賞(97年)、トニー賞のベスト・プレイ賞(98年)などを受賞。日本での初演は1999年で、その際は升毅さんは不参加だった。 ストーリーの中心は白い絵だが、その絵への意見をきっかけに、3人それぞれがお互いに抱えていた不満をぶつけ合う大喧嘩に発展する。 3人のアンサンブルが絶妙で、舞台も簡素なので(クッションと椅子があるくらい)、場面の切替えも素早く、テンポ良く、少しも飽きない心理劇だった。 印象的だったのは、3人で映画に行く予定を40分程遅刻してやって来たイワン(平田さん)が、3分近く早口で延々と言い訳するシーン。 長尺台詞を全く間違えずに機関銃の如くまくしたてる平田さんに、大喝采が起こった素晴らしい瞬間は、今でも鮮明に思い出せる。 |
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