Bob Dylan香港公演と、孫文ゆかりの史跡探訪、グルメの旅 vol.8 孫中山紀念館 入口にある孫中山の像 孫中山。 日本なら、孫文の方が有名かもしれない。 中国革命の父と呼ばれ、中国、台湾両方で尊敬される稀有な人である。 香港大学の前身にあたる香港西医書院で医学を学び、マカオで医師として開業するなど、香港・マカオとも縁が深い。 そして梅谷庄吉や宮崎滔天、玄洋社の面々など九州の歴史人物とも強い結びつきを持つ人物なので、この史料館は特に楽しみにしていた訪問先だった。 建物は1914年に富豪ロバート・ホー・トンの弟の邸宅として建てられたもので、展示は4フロアに及んでいる。 まず地上階には、孫文の色んな年代の写真が飾られている。 東京での宋慶齢との結婚直後のものや、香港大学でのものなど。 2階(余談だが、香港はイギリスと同じで、日本で言うところの1階はグランド・フロア、2階は1階と呼ぶ。ここでは便宜上、日本式で書く)には、この建物の建築経緯や、講演などの聴講室がある。 3階からがメインの展示。 このフロアでは、孫文の生涯を、史料(基本的に全て複製品)と共に紹介している。 ・香港大学で学んでいた頃の孫文ブロンズ像 ・香港大学卒業セレモニーの献立(サーモンのボイルなど) ・孫文の大学での成績表(首席。圧巻の成績) ・評議会議事録や字典 ・四大寇(孫中山、楊鶴齡、陳少白、尢列の4人のこと。要は四大反徒=四大革命家ということ)の人形模型 ・孫文最初の革命時に、香港政府がイギリスの植民地大臣の秘書に充てた手紙 ・ロンドンでの孫文の講義リーフレット(中国の構造改革や革命のアイディアについて語ったようだ) こうしたバラエティーに富んだ史料が展示されている。 勿論、日本に来た時の展示も色々とあるが、平山周、宮崎寅蔵などのサポートについて書かれているぐらいで少なめだったのが残念。 孫文直筆の「甘苦来時要共嘗」という書もあった。 楽も苦難も両方ともに舐める必要がある(酸いも甘いも知っとかなきゃな)という意味だろうか。 他にも「内閣総理大臣 臣 袁世凱」の名を筆頭に清宣統帝溥儀に退位を迫る詔(複製)もあり、これなんか映画「ラストエンペラー」が好きな人ならグッとくること間違いなしだ。 4階には、香港での孫文に関する展示。 イギリスの植民地だった背景や、1902〜1907年に香港政府が孫文の来航を禁じたにも関わらず、香港水域に来航しており、南方での支援の強さや革命拠点となっていたことが解説されていた。 孫文の生涯を10〜20分ほどで紹介した映像も分かり易く、「孫中山って誰?」という人でも理解できるようになっている。 歴史好きに一推しのスポットだ。 次へ (2018/08/06) |
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