Mr.Win's Room

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ニューレッスン


2018年7月8日(日)午後1時00分
会場:ABCホール

【出演】
大倉孝二
いとうせいこう
ブルー&スカイ
池谷のぶえ
小園茉奈

【概要】
俳優の大倉孝二と、劇作家・演出家のブルー&スカイの演劇コンビネーション、ジョンソン&ジャクソンの公演。

【感想】
昨日の幻灯劇場に続いて本日観たのはジョンソン&ジャクソン。
一言で言えば、くだらな面白い感じでした。

設定や展開はバカバカしいのですが、よくそんなバカバカしいことを思いつくなぁ、という面白さ。
熊の大腸からゴミを取り除くという発想。私は嫌いじゃないし、それを話を進める上で重要な設定にしてしまう辺り、「ギャグマンガ日和」的な世界が、そのまま舞台になっているような感じだった。

そういえば「ギャグマンガ日和」も舞台化されたんだよな。以前。

この作品は、実際に観ないと面白さ、伝わらないですね。
「熊の上半分と下半分に挟まれた奥さんが、大腸からゴミを排除された挙句、本当に死んでしまう」とか書いても、「?」しか浮かばないだろうし。

「前妻のお兄さんの大腸にお金を押し込んでから、それを取り出して、それを先生に渡す」とか書いても、ただの意味不明な作品にしか思えないだろうし。

無粋を承知でストーリーを書くなら...

ある大金持ちのボンボンの友人には、「愛のランド」を作るという壮大な目標があって、そのために、熊の絵から大腸のゴミを素手で取り除くというブルーカラーの仕事にありつく。
その仕事のベテランであるおばちゃんは売れない雑誌ライターの奥さんなのだが、ある日、奥さんは熊の上半分と下半分に挟まって昇天してしまう。
奥さんのお兄さんが線香をあげに来るのだが、売れない雑誌ライターがすぐに再婚したことに腹を立てて、再婚相手の胸をまさぐる。

それはそうとして、昇天した奥さんの大腸に入っていた「金も大事だが、愛も大事」という(売れない雑誌ライターが書いた)評論に感銘を受けたボンボンの友人は、大腸泥棒をやって、レッスン代を工面し、売れない雑誌ライターから、愛のレッスンを受けようとする。
しかし、盗人をやっていたことがボンボンにバレ、ボンボンは「僕のお金を使えばいいじゃないか!」と札束を、友人に渡そうとするが、「お前の金は受け取れない」と拒まれる。
「じゃあ、こうしよう。昇天した奥さんのお兄さんの大腸に、一旦、お金を押し込み、それを、お前が大腸から取り出して、売れない雑誌ライターに渡したらいい。そうすれば、直接お金をもらったわけじゃなくなる」

お兄さんは、「なんで俺の大腸に札束をつめられないといけないんだ!?」と怒るが、手伝ったら、売れない雑誌ライターの新妻と結婚できると言われ、協力する。

その結果、「昇天した奥さんのお兄さんの大腸に、一旦、お金を押し込み、それを、お前が大腸から取り出して、売れない雑誌ライターに渡す」ことに成功する面々。
しかし、大腸に札束を詰め込まれるお兄さんの様子を見た新妻は「この人とは結婚できない」と逃げ去ってしまう。

そんなやるせない状況はさておき、その後、ボンボンの友人がニアリー素っ裸な状態で、売れない雑誌ライターのもとに登場し、終演。


……あぁ、書いてて頭が痛くなった。。
1つだけ書き加えるなら、池谷のぶえさんが、兄妹2役をやるのですが、それが存在感ありまくりで。
サラリーマン風のお兄さん役、妹と同じ人とは思えなかった。凄みを感じました。


いとうせいこう出演というのを観て、多分、"そんな作品"なんだろうな、と思ったら、"こんな作品"だった。
それが一番伝わりやすい感想かもしれない。

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