Brian Wilson
東京国際フォーラム 2016年4月13日, オリックスホール4月15日 -setlist- 1. Our Prayer 2. Heroes and Villains 3. California Girls 4. Dance, Dance, Dance 5. I Get Around 6. Shut Down 7. Little Deuce Coupe 8. In My Room 9. Surfer Girl 10. Don't Worry Baby 11. Wake the World 12. Add Some Music to Your Day 13. Then I Kissed Her 14. Darlin' 15. One Kind of Love 16. Wild Honey 17. Funky Pretty 18. Sail On, Sailor -interval- 19. Wouldn't It Be Nice 20. You Still Believe in Me 21. That's Not Me 22. Don't Talk (Put Your Head on My Shoulder) 23. I'm Waiting for the Day 24. Let's Go Away for Awhile 25. Sloop John B 26. God Only Knows 27. I Know There's an Answer 28. Here Today 29. I Just Wasn't Made for These Times 30. Pet Sounds 31. Caroline, No Encore: 32. Good Vibrations 33. All Summer Long 34. Help Me, Rhonda 35. Barbara Ann 36. Surfin' U.S.A. 37. Fun, Fun, Fun 38. Love and Mercy 【感想】 2012年のビーチボーイズ・リユニオンツアー以来、ソロとしては2005年の"SMiLE"ツアー以来となるブライアンの来日公演に行ってきました。 今回は、2002年以来の"Pet Sounds"ツアー。そしてアル・ジャーディン、ブロンディ・チャップリンも加わった体制では初めての来日公演! 全く同時期にボブ・ディランも来日ということで、日にちによっては、私的"音楽の神様"2人のどちらかを選ばないといけないという苦渋の選択もあった今回の公演でしたが、結局、来日3公演中、初日以外の2公演に行ってきました。 特に東京公演ではサウンドチェック&サイン会に参加できることで話題になっていたVIPチケットを購入。ブライアンのサウンドチェックを見れる機会なんて滅多にないので。 サウンドチェック&サイン会 というわけで、年度初めで仕事が殺人的に忙しい中、向かった東京公演2日目。 メールアナウンスされた時間に会場裏手入り口で待つこと数十分。 VIPチケットを入手した熱心なファンが集まります。 VIPパスや"God Only Knows"の歌詞ポスターなどを渡され、いよいよサウンドチェック中のホール内へ。 サウンドチェックの音、写真は撮影自由らしい!おお!! あ、ブライアンがいる!!もうこれだけで大興奮!! 客が来ようと我関せずで相変わらず我が道を行くブライアンですが「ブライア〜ン!」と呼びかけたら、「ん?」と言った感じにこっち見てくれて嬉しい(笑) "Dance Dance Dance"、"Little Honda"など本編で演る曲が演奏され、音のバランスなど話し合いが行われます。 なんとなく「こういうのは全部ダリアンがやって、ブライアンは置物状態なんだろうな」と思っていたのですが、結構ブライアンも指示を出していて感動。 若い頃の姿をちょっと垣間見た感じ。"Pet Sounds"のレコーディング時もあんな風にやっていたのかな。 指示を出しながら、ブライアンが時折ピアノを弾いていたのも感動でした。 スタッフと音の確認をするブライアン ブライアン、アル、ブロンディとそれぞれがメイン・ヴォーカルをとる曲でのリハが終わり、ブライアンが引っ込みます。 最後にダリアンたちが"Our Prayer"を歌い確認して、サウンドチェック終了。 その後、別室でブライアン、アル、ブロンディの3人によるサイン&握手会。 久々に、ブライアンに話しかけられる場面!でも緊張して「また会えて嬉しいです」ぐらいしか言えなかった。。 本当は「"Spirits Of Rock'n'Roll"をライヴでも聴いてみたい」や「イギリスまで観に行きましたよ!」など。言いたいことは沢山あったのですが、数年ぶりに握手したので、全部飛んでしまいました(笑) ブロンディには「あなたが歌う"Wild Honey"、大好き!」と言ったら凄い喜んで「俺もあの曲は好きなんだ!いつも演るのが楽しいよ!」と言ってくれました。 ……よくよく考えるとアルには何も言ってなかった(笑) サインは1人2点までだったと思うのですが、ブライアン、サインに無茶苦茶積極的で、頼んでもいないものにも手当たり次第にサインを書いてくれた(笑) 最後にメンバーたちと撮影を行い、VIPサービス終了。夢のような時間でした。 さて改めて会場入りし、友人のmarbeatさん等にもお会いし。いよいよ本編スタート!(座席は9列目) 本編 ここからはセットリストに沿って感想をば。(大阪公演の感想も合わせて書きます) 1. Our Prayer 2. Heroes and Villains サウンドチェックで会ってるにも関わらず、ブライアンが登場する時は、「ブライアン!ブライア〜ン!」と大興奮(笑) "Heroes and Villains"のアレンジから、前回の"Pet Sounds"ツアーを思い出します。 2014年12月にラスベガスで行なわれたライヴ"Brian Wilson and Friends"も出だしはこれでした。 基本、アレンジは同じで、テイラー・ミルズがいないため女性コーラスがないぐらい(これは全編通して) 3. California Girls この曲のイントロが鳴り響いた瞬間、会場が「おお〜〜!」と。 ビーチボーイズの顔といっても良いイントロですね。 4. Dance, Dance, Dance 5. I Get Around 6. Shut Down 7. Little Deuce Coupe ここから元気の良い4曲が連続します。 "Dance, Dance, Dance"ではブライアンの手の振りをマネして、"I Get Around"では"I'm gettin' bugged driving up and down the same old strip〜"の部分で腕を振り上げ……って、毎回やってること一緒ですね(笑) 8. In My Room 9. Surfer Girl 今度はスローバラード2曲。 "Surfer Girl"はいつ聴いても、何度聴いても永遠の名曲。ブライアンの生歌で聴けるのももう限られた回数と思うとちょっと涙ぐみそうですが、一緒に(小声で)口ずさんでいました。 10. Don't Worry Baby 最近のライヴでは、バンマスでもあったジェフリー・フォスケットが歌っていたこの大名曲。 彼がマイク・ラブのビーチボーイズに加わってしまい、どうなるかな?と思ったのですが、今回はアルの息子・マット・ジャーディンによる歌唱。 これが素晴らしい美声!亡きカール・ウィルソンに負けず劣らずの素晴らしいファルセットでした。 11. Wake the World 12. Add Some Music to Your Day 13. Then I Kissed Her 今回の見どころは、やはりアルとブロンディの参加。まずはアルがヴォーカルのこの曲が演奏されます。 10曲目まではお馴染みの曲ばかりなので、本ツアー"らしさ"を感じたのは、まず"Wake the World"でした。 アルバム"Friends"はブライアン自身もお気に入りと言っているし、個人的にも大好きな1枚なので、この選曲は嬉しい限り! ブライアンの公演ではほぼ必ず歌われている感のある"Add Some Music to Your Day"。これはブライアン自身にとってお気に入りであると同時に、本人的に歌いやすい曲なのでは、と推測。 自分でもライヴを演っていると、お気に入りの曲とは別に、演りやすくてセットリストに入れると安定する曲というのがあります。 ブライアンが"Good Song! Rock'n'Roll Song!"と紹介してアルが歌った"Then I Kissed Her"。これはビーチボーイズ・リユニオンの名古屋公演以来! 14. Darlin' ダリアンが歌う"Darlin'"ももう馴染んでいますね。 ソロ初来日公演時のように、ブライアンが歌うのも聴いてみたいですが。。 15. One Kind of Love "No Pier Pressure"からの新曲です。勿論日本では本ツアーが初登場。 "No Pier Pressure"は良い作品で好きな曲も何曲かあるのですが、個人的には"Saturday Night"が聴きたかった。 あの曲はブライアンがいまだにトップ・メロディメイカーであることを証明している1曲といっても良いと思います。 暗い気分を明るくしてくれる名曲です。 16. Wild Honey 17. Funky Pretty 18. Sail On, Sailor さぁここでブロンディ・チャップリンが中央へ! Rolling Stonesのサポートメンバーとしてもお馴染みのブロンディ! 今回のツアーが始まる前に、"Brian Wilson and Friends"の映像を観ていて、ブロンディのステージ格好いい!と楽しみだったのですが、期待通りでした。 とにかく、のっけから観客を煽り、あの太いヴォーカルでシャウト! ストーンズのツアーにも参加していたブロンディだけに、佇まいはキース・リチャーズ! ステージの左右端まで縦横無尽に動いては、熱いギターソロ弾きまくりと、ビーチボーイズにストーンズ・テイスト、ブリティッシュ・テイストを吹き込んでくれました。 ダリアンのお尻蹴って、ダリアンが苦笑するという場面は東京でも大阪でも登場。 続く"Funky Pretty"は"Holland"から。ビーチボーイズの中でも相当地味なアルバムなので、かなりレアな選曲! 正直、私もあまり聴くアルバムではないのですが……こうして生で演られるといい。 セールス的に低迷していた時期のビーチボーイズにも良い曲あるんだよ、というのがよく分かりました。 "Sail On, Sailor"はブライアンが手を漕ぐかのように振る動きが健在!あれに合わせてリズムを取りながら、ブロンディの派手なヴォーカル、ギターソロを堪能。 ブロンディの参加は個人的には大成功だったと思います。ブライアンは(いてくれるだけで感動なのですが)ステージ上では座って歌っているだけなので、アクションや客煽りなどエンターテイナーとして秀でたブロンディがいることで今までになかった熱が吹き込まれていました。 -interval- 19. Wouldn't It Be Nice 20. You Still Believe in Me 21. That's Not Me 22. Don't Talk (Put Your Head on My Shoulder) 23. I'm Waiting for the Day 24. Let's Go Away for Awhile 25. Sloop John B 26. God Only Knows 27. I Know There's an Answer 28. Here Today 29. I Just Wasn't Made for These Times 30. Pet Sounds 31. Caroline, No インターバルを挟んで、"Pet Sounds"全曲披露。 前回の"Pet Sounds"ツアー同様、1曲1曲がしっかりと再現されていきます。 音楽的な細かい話題は、多分、レコードコレクターズなり誰なりがやっていると思うので、ここでは私の所感だけいくつか。 何よりも嬉しかったのは、久しぶりにブライアンの肉声による"God Only Knows"が聴けたこと。 ビーチボーイズ再結成ツアー、マイク&ブルースのビーチボーイズでは、カールが歌う映像に合わせての伴奏だけだったので、ブライアンによる歌唱が聴けて本当に良かった。 改めて、「美しい曲だな」と、もうその一言に尽きます。ブライアンの才能の縮図と言っても過言ではありません。 ずっと一緒に小さい声で歌っていました。 "Wouldn't It Be Nice"では、冒頭60年代当時のレコーディング音源が流れたので、実際の歓声が始まる前にフライングの歓声も。 この辺、初来日での映像→"The Little Girl I Once Knew"スタートの流れも思い出しました。 "You Still Believe in Me"で、"Pet Sounds"らしさを感じて、"Sloop John B"ではアルがいるのを感じて(笑)。 "Pet Sounds"でネルソンが力強いパーカッションを見せてくれるのも、ブライアンが声をはって歌う"Caroline, No"を聴くのも、何度か経験したことだけど、再び目の前で聴ける喜びをずっと感じていたなぁ。 そして"Caroline, No"が終わった後、犬の吠える声が聴こえ、列車の走り去る音が聴こえ、そして全てが消えていくあの瞬間!あの瞬間は何度体験してもゾクゾクします。 ここでバンドメンバー紹介。大阪ではブロンディの紹介で"Honky Tonk Women"が! Encore: 32. Good Vibrations 33. All Summer Long 34. Help Me, Rhonda 35. Barbara Ann 36. Surfin' U.S.A. 37. Fun, Fun, Fun ここからは定番のビーチパーティーです。 盛り上がる曲の連続に、大盛り上がりなのはいつも通り。一言、楽しかった!! 正直、盛り上がり過ぎて細かいことを覚えていない(笑) 38. Love and Mercy 最終大阪公演は最前列だったのですが。"Fun, Fun, Fun"が終わった後、大声で"ブライア〜〜ン!!!"とステージに呼びかけたら、ブライアンが「えっ?」という表情をした後、数秒ずっと凝視してきたので、無茶苦茶ドキドキしました(笑) その後、ダリアンだったかな?ブライアンに呼びかけると、ブライアンが1本指を出して「もう1曲演ろう!」と。 "Love and Mercy"を演るのは知っていますが、それでもこの瞬間は凄い嬉しかった。 今回は、最後にキーを上げる演出もなく、従来のライヴ演奏に近い"Love and Mercy"。 ブライアンのラスト・ソングはこれでなくちゃ、と思うと同時に「多分、これが最後の来日公演なんだ」と思うと泣けてきました。 終演後 東京2日目の終演後は、アルがステージ前に残って握手したり、FB用の写真を撮ったり、セットリストを配ったりとサービスしてくれました。 残念ながらセットリストは得られませんでしたが、数時間ぶりに握手して、アルの写真にも収まることに成功(笑) そしてラスト大阪公演では、"Love and Mercy"後、メンバーが帰る時に、ブロンディに花束を渡すことに成功。 ブライアン相手にこういうのは無理だと割り切っているので(笑)、ブロンディがちゃんと受け取ってくれて良かった! その後、ステージにちょろちょろバックメンバーが表れてくれたので、「有難う!また日本に来てね!」とリクエストしたら"I hope so"と。みんな笑顔でした。 90年代以降、ブライアンが成し遂げてくれたことは1つの奇跡だと思います。 ステージの上に帰ってきてくれたこと、"Pet Sounds"ツアーをやってくれたこと、"SMiLE"を完成させ、ツアーもやってくれたこと、新作をリリースしてくれたこと。そして再び"Pet Sounds"Tourをやってくれたこと……。 幸運にも私は、ソロでの初来日公演直前に本格的にブライアンのファンになり、それ以来、(ビーチボーイズ再結成全公演を含め)来日公演の大半、それにサイン会も全部行くことができました。(そして今回のサウンドチェックも!) ロンドンで観た"Re-Imagined Gershwin"ツアーも含め、ブライアンのソロ・キャリアを包括的にリアル体験できていることは、音楽を作る身としても、大事な財産になると思います。 ブライアンのコンサートはいつでも"Good Vibration"を与えてくれ、"Fun, Fun, Fun"な気分にしてくれる。そしていつも"Love & Mercy"をくれる。 感謝してもしきれません。もしポップス史で天才を1人だけ選ぶならば、ブライアン・ウィルソン以外の答えは浮かびません。 それだけ大好きなアーティストに、これだけ生で接する機会を得られたことを本当に嬉しく思います。 有難う、ブライアン。また海外まで観に行くよ! |
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