2015年吉例顔見世興行(夜の部) 2015年12月25日(金) 会場:京都・南座 第一 信州川中島合戦 第二 四代目中村鴈治郎襲名口上 第三 土屋主税 第四 勧進帳 【概要】 吉例顔見世興行は向こう1年の一座の顔ぶれを披露する興行で、350年以上の歴史を有する「歌舞伎の国の正月」とも呼ばれる最大級のイベント。 【客入り】 中高年中心に、若年層も。勧進帳効果か?満員。 【感想】 レポを書き忘れていて、大分時間が経ったので簡単に観劇直後の感想だけ。 第一 信州川中島合戦 近松門左衛門作のトンデモ脚本。流れは以下のようなもの。 武田勝頼と輝虎(謙信)の娘が恋に落ち、それを村上義清に邪魔されて出奔。 ⇒輝虎「義清程度に恥かかされたっ!」と激怒・信玄は「子供の恥辱は親のもん。どうせ上杉とは雌雄を決する必要あるし」と一定の理解。 ⇒信玄「上杉に勝つために軍師が必要だな」と勘助Get! ⇒輝虎「勘助、俺も欲しい。直江の嫁が、勘助の妹じゃん!勘助母連れてきて、勘助を引き抜くようお願いしよう。俺も配膳して誠意見せる」 ⇒勘助母「息子は信玄公に仕えている。邪魔したくない」と輝虎の配膳を足蹴り ⇒輝虎怒るもなだめられて勘助母を帰す。 ⇒勘助母、輝虎のもてなし自体への感謝と、自分の非礼は理解しているため、帰ってから自害 ⇒輝虎は感じ入り、出家し謙信入道へ。追善として信玄に塩を送る。 今回演じられたのは、輝虎が勘助母をもてなして、足蹴りにされて怒った後、なだめられて許して帰すまで。 勘助母は、凛と気丈な感じ。輝虎も、小物っぽく描かれながらも勘助母を許す辺りは大物。 怒って刀を振る前に、着物をどんだけ脱ぐんだというぐらい着こんでいたため若干笑いが起ったが、実際、着物ってあれだけ重ねて着るもんだからなぁ。 輝虎役は、やっぱり強そうな化粧だった。 四代目中村鴈治郎襲名の口上 ・生まれてすぐ東京に引っ越したけど京都出身。 ・最近、子供かどうかDNAで鑑定というニュースがありますが、鑑定しないでも演技を見てもらえば鴈治郎の血筋だと分かります ・兄様にはよくしてもらっており、そんな兄様の襲名を嬉しく思います。 など。 土屋主税 事前インタビューなどでも四代目・鴈治郎がいかに力を入れているかが伝わってきた土屋主税だが、個人的に忠臣蔵ものがあまり好みではないのでのめり込めず。 勧進帳 これは市川海老蔵の弁慶は映えるなぁ、というそれにつきる。 ただ、あくまでもそれは外見の話であり、正直、勧進帳を読んだ時の緊迫感だったり、主・義経を打った時の心情だったりは、あんまり伝わってこない。(というか、六本木でやらかした事件の印象が強くてどうにも……汗) なので、同じ弁慶でも、威勢よく立ち回るタイプの作品の方が海老蔵には向いている気がした。 なんだかんだでこの日の演目では"信州川中島合戦"が一番記憶に残った。 |
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