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信長の野望 30周年記念コンサート

 

信長の野望 30周年記念コンサート
横浜みなとみらいホール 2014年3月29日

-setlist-

※上記に加え、アンコールでは
「Jupiter」(vo:平原綾香)
「創造 甦生」スクリーンには創造のタイトルや武将たちの顔グラフィック。
「全国版・Overture〜信長の野望〜(コーラス有アレンジ)」
が演奏されました。

【完全再現レポート】
「信長の野望」ファンにとっては夢のようなコンサート。
いつもならば感想を交えてレポを書くところですが、まずは完全にコンサートを再現し、後半で感想を書こうと思います。
行けなかった方が少しでも追体験できますように。

〜「信長の野望 30周年記念コンサート」完全再現 第一部〜

開演10分前。裏でオケが思い思いに最終確認しているのが漏れ聞こえる。
あれは「全国版・Overture〜信長の野望〜」だ。

開演7時を数分過ぎ、オーケストラ登場。そして指揮者の山下康介さん登場。

1曲目「全国版・Overture〜信長の野望〜」スクリーンには全国版のオープニング画面や大名たちの顔グラフィック。
2曲目「戦国群雄伝・オープニング〜群雄決起」スクリーンには戦国群雄伝のオープニング画面や大名たちの顔グラフィック。
山下さんがお辞儀。観客席より拍手。

(司会進行の)天野唯登場

皆様、「信長の野望 30周年コンサート」にようこそお越しくださいました。私は本日の司会・進行を務めさせていただきます天野唯と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
最初にお届けした曲は、信長の野望 全国版よりOverture〜信長の野望〜、戦国群雄伝よりオープニング〜群雄決起をお聴きいただきました。
本日は指揮・山下康介、演奏・神奈川フィルハーモニー管弦楽団によるオーケストラの素晴らしい演奏をお送りします。

またスペシャルゲストをお迎えしてのトークショーも予定しておりますので、皆様最後までお楽しみください。
それではまず最初にこの方にご登場いただきます。「信長の野望」シリーズの生みの親でもあるゼネラルプロデューサー シブサワ・コウこと株式会社コーエーテクモゲームス襟川社長、どうぞステージにお越しください。

シブサワ
(天野さんの進行表を見ながら)それ私が言うんですか?(会場笑い)
シブサワ・コウでございます。皆さんこんばんわ。本日はご来場いただきまして有難うございます。そして30周年を迎えることができましたのもファンの方々の熱い応援と、それから叱咤激励の賜物でございます。本当に有難うございます。

さて皆様。今日は3/29でございます。明日は当然3/30なんですけれども、3/30って何の日かご存知でしょうか?黒猫のクイズより難しい問題ですけれどもね、実はですね、3/30は「信長の野望の日」なんです。
1983年の3/30に初代の「信長の野望」が発売になりまして、その日をですね、「信長の野望の日」として、私だけが言っているわけではないんですよ、ちゃんと公式の日本記念日協会という協会があるんですが、そこに「信長の野望」のファンの方がいらして、担当して、ちゃんと正式に審査していただいて決まりました。
ですから3/30になりましたら、ゲームソフトショップにどんどん行っていただいて「信長の野望」をどんどん買っていただくということで、これからもよろしくお願いいたします。

この30年間で14作の「信長の野望」を作りました。約300曲の音楽が散りばめられております。
この300曲の中と、それから「信長の野望」の関連の曲の中から数曲選びまして、前半は菅野よう子さんの作品を主体にお送りします。
後半は山下さんのお作りになった楽曲を主体にお送りしていきます。
非常に贅沢な内容のコンサートです。今までの「信長の野望」各タイトルございます。そういったタイトルに想いを馳せながら、あるいはその時代時代の思い出に浸りながら是非お楽しみいただきたいと思います。
本日はありがとうございます。

天野
それでは引き続き、武将風雲録、覇王伝、天翔記よりそれぞれの作品のオープニングテーマをお楽しみいただきます。
武将風雲録より"狼煙"、覇王伝より"覇王序章"、天翔記より"乱世の鷹"
狼煙で登場する和楽器は尺八・渡辺峨山、篠笛・藤舎理生による演奏です。それでは3曲続けてお聴きください。

3曲目「武将風雲録 狼煙」スクリーンには武将風雲録のタイトルや大名たちの顔グラフィック。
4曲目「覇王伝 覇王序章」スクリーンには覇王伝のタイトルや大名たちの顔グラフィック。
5曲目「天翔記 乱世の鷹」スクリーンには覇王伝のタイトルや大名たちの顔グラフィック。

天野
お送りしたのは武将風雲録より"狼煙"、覇王伝より"覇王序章"、天翔記より"乱世の鷹"でした。
シブサワさん、本当に素晴らしい演奏でしたね。

シブサワ
そうですね〜、もうなんかね、胸にジーンときっちゃいますよね〜。

天野
さて皆様、ここからはスペシャルゲストを交えてお話しを伺っていきたいと思います。
株式会社KADOKAWA常務取締役、ファミ通グループ代表の浜村弘一様です。皆様、拍手でお迎えください。

浜村
有難うございます。

天野
浜村さん、会場の皆様に一言ご挨拶いただいてもよろしいでしょうか。

浜村
はい、浜村でございます。「信長の野望」30周年本当におめでとうございます。
30年って、本当に長いですよね。あの〜、ファミコンから始まる歴史よりも長いわけなんですよ。
どれだけ長いかっていうとですよ、最近、アーケードゲーム機でもですね、ダライアスフォースとかですね、サーティーン、フォーティーン、フィフティーンとかいうゲーム……サーティーンじゃない、サーティー・ツー何々とかいうゲームも一杯出てきているわけですけども、そんな格ゲーのゲームの連中よりも長いわけでして、ある意味、これだけ長くプレイされたゲームというのは、本当に、デジタルコンテンツの中で一番長く愛されてきたゲームですね。それの節目になる30周年にこうやって一緒に呼んでいただけて、本当に嬉しいです。30周年おめでとうございます。

シブサワコウ
どうも有難うございます。

天野
浜村さん、どうぞよろしくお願いいたします。
では早速お話しをお伺いしたいと思うのですが、浜村さん、今まで数々のゲームをプレイされてきたと思うのですが、「信長の野望」に初めて触れられたときの感想というのを教えていただいてもよろしいですか?

浜村
学生の頃ですね、本当にビックリしましてね、信長ってその当時色んなゲームがパソコンでありましたが何者にも似ていなかったんですね。その当時ってゲームセンターにあるゲームの移植とか海外のゲームが多かったんですけれども、それのどれにも似ていなかったんですね。
本当にシミュレーションゲームの文法とか、思考型ゲームの文法を初めてゲームに持ち込んだ、という意味でいうと発明に近いものがありますね。素晴らしかったです。

天野
日本で最初に持ち込んだ武将でしたか。

浜村
そうですね、本当に。で、コマンドを全部理解するのに3か月、4か月かかりました。

天野
有難うございます。さぁシブサワさん、やtぱり先ほど浜村さんも仰っていましたが、30年というのは本当に凄い歴史だと思うんですけれども、新しい作品を生み出し続ける秘訣というのはあるんでしょうか?

シブサワ
まずはファンの方々から様々な意見・ご要望やお叱り、色んなアイディアをいただきますので、そういったお客さまサイドからのニーズと、現場のプロジェクトチームが「次はこういう風にしたい、あいいう風にしたい」というそういったアイディア、それからもう1つは、時代時代でその当時はパソコンでしたが、今はゲーム機、さらなるプラットフォームがありますが、そういったプラットフォーム自体が新しい技術をどんどん採用して、今まで不可能だったことがどんどん可能になるという技術的な進展によって新たな企画が生まれるということもありまして、その3つの要素を融合して常に新しいチャレンジを続けてきたというのが「信長の野望」の歴史だと思います。

天野
なるほど、有難うございます。さて浜村さんはこれまで聞き手として数々のインタビューをご経験されていると思いますので、これからはせっかくなので浜村さんにマイクをお渡ししまして「公開インタビュー in みなとみらいホールと題しましてシブサワさんに浜村さんからご質問いただいてもよろしいでしょうか?

浜村
こうやって信長のシリーズって、一番最初の頃から、ハードでやっている頃から、物凄く音楽にこだわっていたような気がするんですね。
当時のピコピコしていた音の時でも、コンサートを開いてもおかしくない物凄い拘りがあったように感じるんですね。

シブサワ
私としては音楽というのは生活の中に密着しておりまして、例えば、「信長の野望」でもサウンドウェアというCDをつけまして、あるいはレコードをつけてですね、実際、ゲームと一緒に遊んでいただくというような初期のアイディアを実践して、お客さまにも好評いただきまして、そういうことを始めたんですけれども、元々は私は……今日は証拠写真を用意したんですけれども……

※ここでスクリーンに4枚の写真が映る

シブサワ
1番はですね、私の……あのご幼少の頃なんですけれども(笑)、ああいう時代が私にもあったんです。
まぁバイオリンをですね、幼稚園から中学校の3年生まで10年間やってましてずっとクラシック漬けの毎日でした。

浜村
写真のどちら?ああ右側の方ですね。

シブサワ
はい。右の可愛い方です。
で、次の写真お願いします。大学に入りましてですね、ジャズ・コーラス・バンドに入りまして。それでベースを弾いていたんですけども。また弦楽器です。
右から2番目の白くてポッチャリしたのが私ですね。東芝レコードから3枚、レコードを出しまして。まぁセルフ・プロデュースです。
実はこのバンド仲間がですね、もう45年大学時代から経っているんですけれども今だに一緒にずっと練習しておりまして、ライヴハウスでも年に2〜3回、あ、3番目、4番目、続けて出してください。こんな感じでライヴハウスで演奏をしております。
ですから、ゲームの中に音楽をどんどん深く入れ込んでいって、さらにゲームを楽しませるというのは自然な流れです。

浜村
道が逸れていたら、音楽の道に行かれていたかもしれない?

シブサワ
そうだったかもしれませんね。まぁ途中でパソコンを家内に買ってもらってゲーム作りにハマってしまいましたので、そこからパッとまたゲームの世界に入りました。

天野
有難うございました。さぁ本当はもっとお二人のお話を伺っていきたいところなんですが、ここで最後に浜村さんから会場の皆さんにご挨拶いただいてもよろしいでしょうか?

浜村
信長って本当に、先ほどシブサワ・コウさんが仰っていたように、凄く時代時代によって変わっていますよね。
ソーシャルゲームになった時もビックリしましたけど、信ニャガになった時は一番ビックリしました。これもあるんだと思って。
今だにゲーム業界の人は「信長」好きなんですよ。
ゲーム業界の中にもファンがいますし、きっとこれからも信長は変わっていくと思うんですよね。それをこれから先ずっと見ていきたいと思います。是非皆さん、一緒に信長の成長する姿を見ていければなぁと思います。
これからも是非、頑張ってください。

シブサワ
有難うございます。

天野
有難うございました。本日最初のスペシャルゲスト浜村弘一さんでした。皆様大きな拍手でお送りください。
さて、それでは引き続きオーケストラの演奏をお楽しみいただきます。
続いては「信長の野望」の楽曲に加え、光栄歴史シミュレーションゲーム三部作である「三國志」のテーマ曲など4曲続けてお送りいたします。
戦国群雄伝"遠い仲間へ"や蒼き狼と白き牝鹿"夢の旅人"など元々歌が入っていた楽曲がどのようなアレンジで演奏されるかにもご注目ください。

6曲目「三國志」テーマ曲 スクリーンには三國志のジャケットや武将の顔グラフィック。
7曲目「信長の野望 Online」オープニング スクリーンにはオープニング映像など。
8曲目「信長の野望 戦国群雄伝」遠い仲間へ スクリーンには「戦国群雄伝」の武将たちの顔グラフィック。
9曲目「蒼き狼と白き牝鹿」夢の旅人 スクリーンには「蒼き狼と白き牝鹿」のタイトルや主人公たちの顔グラフィック。

天野
お届けした曲は、「三國志」テーマ曲、「信長の野望 Online」オープニング、「戦国群雄伝」遠い仲間へ、「蒼き狼と白き牝鹿」より"夢の旅人"でした。
さてここからは再びスペシャルゲストをお迎えしたいと思います。「信長の野望」30周年記念タイトル、女性向け恋愛アドベンチャーゲーム"下天の華"より、主題歌を担当されているグレース・マーヤさんです。皆様拍手でお迎えください。

グレース・マーヤ登場。

天野
グレースさん、皆さんに一言ご挨拶いただいてもよろしいですか。

グレース
はい。こんばんは、「信長の野望」30周年おめでとうございます。グレース・マーヤです。よろしくお願いします。

天野
グレースさんにはこの後、「下天の華」の主題歌を歌っていただくんですけれども、グレースさんが「下天の華」の主題歌を担当することになったきっかけを教えていただけますか?

グレース
ちょっと長いですけれども、私は地元がここで、すぐそばの本国育ちなんですけども、そこでインターナショナルスクールに通って、ドイツに留学して戻ってきたときにジャズの勉強をして、歌もやって、今、弾き語りのジャズ・シンガーとして回っているんですけれども、その中で、地元の横浜のすぐ近くにバー・バーバーという老舗のジャズ・バーがあるんですけれども、そこで演奏をしていたら光栄の社長がご夫婦でいらして、丁度その時、演奏をしていて。それからちょくちょくお二人で来ていただいて。今度、FabStyleっていうゲームが出るんだけど、出ない?と。出会いの通り、ジャズ・バー、バー・バーバーも出てきて、私がそこでピアノの弾き語りをしているジャズ・シンガーをやらせていただいて。その後、「下天の華」も出て歌わせていただいて、という流れです。

天野
本当にじゃあ、偶然の出会いがここまで繋がったというのは、本当に凄いですね。有難うございます。
さてこの「下天の華」なんですけれども、戦国の動乱を駆け抜けるデンジャラス・ラブがテーマとなっている女性向けの恋愛ゲームとなっているんですけれども、一度スクリーンに、皆さんご注目いただけますか。
このように、「信長の野望」シリーズファン、そして歴史ファンには、本当にお馴染みの武将たちが登場する「下天の華」なんですけれども、グレースさん、ズバリ、演奏をする、歌うところにおいてポイントとなっているものはありますか?

グレース
戦国時代に、ポルトガル語で歌ってほしいと言われて、そこで最初にボサノヴァがポルトガル語から始まって、そこからビートが入って日本語も出てくるという。

天野
信長といえば南蛮文化とも繋がりが深いと思うので……、元々ポルトガル語の歌を歌われたCDをシブサワさんに聴いていただいたという流れが?

グレース
はい。丁度ボサノヴァのCDを出していて。そのアルバムを聴いていただきました。

天野
なるほど。元々ドイツの音楽学校にいたと伺ったのですが、それは音楽がお好きで、ということですか?

グレース
2歳からクラシックピアノを弾いていまして、その頃、ドイツものがとても弱くて。で、なんで弱いんだろうと思って、ドイツに行って。

天野
なるほど、有難うございます。ピアノの準備も整ったようなので、演奏お願いします。
さぁ、それではお届けいたします。第一部最後を飾っていただきますのは、グレース・マーヤさん。「下天の華」より下天の華・Amorです。どうぞ。

10曲目「下天の華」Amor スクリーンには「下天の華」の主人公たちの顔グラフィック。

天野
第一部の最後を飾っていただきましたのは、下天の華・Amor グレース・マーヤさんでした。
グレースさん、素晴らしい演奏を有難うございました。
そして山下さん、神奈川フィルハーモニー管弦楽団の皆さんにも大きな拍手をお送りください。

以上で第一部は終了となります。第二部は20分ほどの休憩を挟みまして開始させていただきます。
皆様、有難うございました。

〜「信長の野望 30周年記念コンサート」完全再現 第二部〜

11曲目「将星録 覚めぬ夢、陽炎」スクリーンには将星録のタイトルや武将たちの顔グラフィック。
12曲目「烈風伝 まばゆき明日へ」スクリーンには烈風伝のタイトルや武将たちの顔グラフィック。
13曲目「嵐世記 夕凪ヶ原」スクリーンには嵐世記のタイトルや大名たちの顔グラフィック。

天野
お届けした曲は将星録の四国地方のテーマ曲である"覚めぬ夢、陽炎"、烈風伝の攻城戦で流れる"まばゆき明日へ"、嵐世記のエンディングテーマである"夕凪ヶ原"の3曲でした。
さて、皆様お待たせいたしました。ここからの時間ですが、今お送りした3曲を含め、「信長の野望」シリーズの数多くの楽曲を作曲されており、また本日演奏されているゲーム楽曲のオーケストラ・アレンジ、指揮までも担当されています山下康介さんに話をお伺いしたいと思います。山下さん、どうぞこちらへ。

山下
山下です。今日はお越しいただいて有難うございます。

天野
よろしくお願いいたします。山下さん、早速なんですけれども、第一部から今まで指揮を担当されてきまして、今の感想は如何ですか?

山下
そうですね。僕はあまりこういう表舞台でこう……、まぁ指揮をやるということ自体があまり多くなく、スタジオの仕事が多いものですから、これだけのお客さんの前でこのようなことをやらせていただくのはちょっと緊張もしつつ、でも、ファンの皆さんに楽しんでいただけるようにちょっと頑張って今日はやりたいと思います。

天野
有難うございます。山下さんといえば「信長の野望」シリーズでは数多くの楽曲を作曲されておりますが「信長の野望」の曲を作るにあたって山下さんご自身のこだわりというのは何かありますか?

山下
そうですね。それぞれのシリーズでキャラクターがそれぞれちょっと違って、音楽もそれに沿ってちょっと違っていたりするんですけれども、シミュレーションゲームという1つのジャンルとして音楽の使われ方が、なかなかゲーム音楽で色々ありますけれども、やっぱり音楽が流れる時間が非常に多いと思いますし、なのでそういう意味ではプレイされている人たちの音楽の捉え方というか、そういうところを一般のそういうものとまた違う意味で考えたりして作っていますけれども。

天野
なるほど。今は山下さん自身のこだわりをお伺いしたんですけれども、逆にゲーム開発者の方からは何かリクエストが来るんでしょうか?

山下
そうですね。僕が好き勝手に書いているわけではなくて、勿論、自由に書いているものもありますけれども、やっぱりそれぞれのゲームで、例えば「今回のシリーズはちょっとシンセサイザーを多めに使ってほしい」とか「フルオケでいきましょう」とか、そういうサウンドの方向性みたいなものは最初に結構打ち合わせで色々あったんですね。
そのお陰でシリーズそれぞれに特色が出たと思いますし、それが面白かったんだろうなぁと。

天野
なるほど。結構リクエストは多かったんですね。

山下
まぁ、結構やり取りは綿密にやりましたね(笑)

天野
有難うございます。さぁ今回のコンサートでは、オーケストラでお馴染みの楽器だけではなく、和楽器も使用されています。
せっかくですので、和楽器の奏者の方にもお話をお伺いしていきたいと思います。
尺八奏者であり、「戦国無双」シリーズ、そして「討鬼伝」では音楽監修も担当されています渡辺我山さん、どうぞこちらにお越しください!

渡辺
よろしくお願いいたします。

天野
有難うございます。どうぞよろしくお願いいたします。さぁ今回のコンサートではオーケストラでお馴染みの楽器との共演となりますが、洋のイメージのオーケストラの楽器と和の楽器とのコンビネーション、演奏というのはやはり難しいのですか?

渡辺
そうですね、一番の違いがですね、皆さんのお覚えになっている楽譜ですね。これが一番違うんです。
我々は実は尺八は簡体音で、それから藤舎さんが吹いてらっしゃる笛、これは数字の譜面なんですね。
ですからそれを、楽譜をいただいたら全部書き直さないといけない。これが一番大変でしたね。

天野
ご自身で書き直されるんですね。

渡辺
そうです。今回は山下さんに早く譜面を上げていただけて(笑)

天野
有難うございます。さぁこの後お送りしていただく曲でも渡辺さんの尺八が登場すると思うんですが、演奏にあたっての意気込みを改めてお聞かせいただけますか。

渡辺
僕も「信長の野望」に関わって20年以上になりますが、その都度、レコーディングなどで演奏する時に心がけていることは信長の勇猛さだけではなくてその裏に隠れている優しさも一緒に表現できたらと思っていつも思ってやっています。

天野
有難うございます。それでは引き続きオーケストラの演奏をお楽しみいただきたいと思います。
お届けする曲はいずれも山下さんの作曲でスクリーンに表示されております4曲をお送りいたします。
革新、天道の2作品の演奏曲では、渡辺さんの尺八の音色もお楽しみいただけますので皆様、どうぞお聴き逃しのないようにお願いいたします。
それでは、渡辺さんは次の演奏のご準備のため一旦ご退出となります。渡辺さん有難うございました。
はい。それでは、よろしいでしょうか。
それでは蒼天録 繚乱の大地 オープニングから4曲続けてお楽しみください。

14曲目「蒼天録 繚乱の大地 -オープニング」スクリーンには蒼天録のタイトルや武将たちの顔グラフィック。
15曲目「天下創世 正道貫き空 -覇者のテーマ」スクリーンには天下創世のタイトルや武将たちの顔グラフィック。
16曲目「革新 武士の光跡」スクリーンには革新のタイトルや武将たちの顔グラフィック。
17曲目 「天道 幾瀬の想い -初期設定」スクリーンには天道のタイトルや武将たちの顔グラフィック。

天野
お届けした曲は、「信長の野望」蒼天録より"繚乱の大地 -オープニング"、天下創世より"正道貫き空 -覇者のテーマ"、革新より"武士の光跡"、天道より"幾瀬の想い -初期設定"でした。
さぁシブサワさん、ここまで聴いてきて如何でしたか?

シブサワ
いやぁ、もう……山下さんには将星録から天道までお願いいたしまして、もう本当に感激です。
それからコーエーテクモ、その前の前身の光栄もそうですが、一度もこうしたコンサートをやったことがなくてですね、山下さんが作曲・編曲を行った曲をご自身で指揮をされて、そして生のオーケストラで演奏をする。これ、皆さん一生に一回かもしれません。
でも40周年を迎えたらあるかもしれませんけども。それまで私がやるかどうか。
しかしまぁ、本当に記念すべきコンサートと思いますので、どうぞ皆さん全身でですね、メモリーしていただきたいなぁと思います。
それから、特に山下さんに大変感謝しておりますのは、菅野さんの「信長の野望」全国版の作曲を依頼した時、まだ菅野さんは早稲田大学の学生で本当に可愛いお嬢ちゃんだったんですけども、ただ、その時代がもう30年も前ですから、その当時の譜面が中々見つからなくて、そういった譜面起こしから全部、山下さんにお願いをいたしまして、本日このコンサートに結びついたということです。本当に有難うございます。

天野
是非、40周年も期待しています。
さて皆様、ここで再びスペシャルゲストをお迎えしたいと思います。
「信長の野望」創造のテーマ・ソング"Shine -未来へかざす火のように-"を歌っていただいている歌手の平原綾香さんです。
皆さん、拍手でお迎えください。

平原
皆さん、こんばんは〜。(反応が薄く)こんばんはっ……。

平原さん、どうぞよろしくお願いいたします。さぁここから平原さんには"Shine"を歌っていただくんですけれども、まずはお話しを伺っていきたいと思います。ここからは山下さんにもせっかくですのでご参加いただきたいと思います。
どうぞ、こちらへお越しください。

山下
よろしくお願いしま〜す。

天野
さて、早速ですが、今回のタイアップですが「何としても平原さんに!」と、シブサワさんの方から強い要望があって実現したと伺っているんですけれども。

シブサワ
私は平原綾香さんの大ファンでして、"Jupiter"、それから"シェヘラザード"はじめクラシックの名曲を詞をつけて、そして新しいクラシックの魅力をですね、日本全国、世界のファンの方々に提供して、バッとクラシックの世界が広がった。その新しさですね新しい切り口に非常に魅力を感じまして、歴史シミュレーションゲームも実は同じような切り口のトライアルをやりましてですね。歴史の中にシミュレーションゲームを入れていく。そこで新しい面白さを作っていくという風なところで、両方似たような、そういう切り口を、常に斬新なものを求めて、新しいものを作っていくという共通項がありましたので強い親近感を持っていました。
それで、とにかく平原さんしか考えられないと前から思ってまして、30周年の"創造"の時には是非とも主題歌を歌っていただきたい、それから非常に幸いなことに平原綾香さんから作曲をしていただけるという幸運が舞い込んできまして非常に私は感激しております。

天野
本当にシブサワさんの念願叶って、というコラボレーションだったんですね。有難うございます。
さて今回は菅野よう子さんの原曲をベースに作曲を平原さんが担当されていますが、ズバリ、この曲の一番の魅力を皆さんに伝えるとしたらどんなところですか?

平原
そうですね。まずは菅野さんのメロディーが30年皆さんに愛されていて、やっぱりそれをやらせていただくということがとても嬉しかったけれども、とっても不安で、私よりも全然、このメロディーを知って、ゲームを楽しんでくださっている方々が「ちょっと違和感があるな」とか、そんな風に思ってしまったら台無しになってしまうし、本当に「命がけで、この歌をカヴァーしていくんだ」というこの意気込みを感じていただければ嬉しいですし、できれば菅野さんと一緒にこの音楽を制作できたらよかったですけれども、やっぱり凄くお忙しい方なので、私が作曲をすることになってしまって、申し訳ないなという気持ちもあったんですけれども、信長の絵だったりゲームを見ていると、とにかく格好良いし、さっきずっと楽屋でこの演奏を聴いていたんですけど、音楽を聴いているだけでも天下を統一したくなるという。
本当に30年も続く凄いゲームに一緒に、少しでも参加することができた喜びを感じながら歌っています。
あとは、一応、平原綾香武将というのがゲームに出てくるということで。

シブサワ
出てきます。最新作の「信長の野望」創造では、立派な女性武将として大活躍できますので。

平原
戦法が「歌」ということで、一応刀はさしているんですけど抜かないという設定で。それで、あの、皆さんは平原綾香武将は使ってくださってくれてるんですかね。使ってる人〜……。

シブサワ
あの、うんうんと首を振ってくださっている方沢山いらっしゃるので(笑)

平原
少なかったらそれはそれで(笑)

シブサワ
使っている方は、CDを買ってくださったということになりますので。有難うございます。

平原
是非、バンバン使ってください(笑)

天野
はい、有難うございます。さて、ここからは山下さんにもお話を伺いしたいと思うんですけれども、今回山下さんには"Shine"のオーケストラアレンジを行っていただきましたが「ここを聴いて欲しい」というポイントはありますか?

山下
そうですね。いらしている方はオリジナルを皆さん記憶していると思いますが、今日はオーケストラということなので、とにかくフルオーケストラでの演奏で力強いあの曲を表現したいな、と。それを是非。今日初披露ですからね。

平原
オーケストラで歌うの初めてです。本当に格好良いアレンジを有難うございます。コーラスも。

また違ったテイストのオーケストラになっていますので、是非お楽しみに。

有難うございます。それではお二人には早速準備に入っていいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、お届けいたします。平原綾香さんで"Shine -未来へかざす火のように-"です。どうぞ。

18曲目 「Shine -未来へかざす火のように-」スクリーンには創造のタイトルや武将たちの顔グラフィック。

天野
"Shine -未来へかざす火のように-"をお聴きをいただきました。
平原綾香さん有難うございました。
さて、続いてはこの方をお呼びしたいと思います。「信長の野望」30周年記念タイトル「信長の野望」創造の小笠原賢一プロデューサー、そして「信長の野望」創造の楽曲を担当しているサウンド制作部 大塚正子さんです。どうぞステージにお越しください。

(小笠原さんは甲冑を着ている)

天野
では、会場の皆様に一言ずつご挨拶をお願いいたします。

小笠原
はい、ちょっと出オチっぽいですけども。「信長の野望」創造のプロデューサーの小笠原です。
本日はお越しいただき有難うございます。

天野
大塚さんもお願いいたします。

大塚
本日はご来場いただきまして誠に有難うございます。
今回、「信長の野望」創造で作曲を担当させていただきました大塚正子です。よろしくお願いいたします。

天野
では、ちょっと会場の皆さんからも笑いが起こっておりましたが、まずはその衣装について改めてご紹介いただけますか。

小笠原
はい。こちらはですね「信長の野望」創造が30周年記念タイトルということで、特別にあの山本寛斎先生にデザインいただいた信長の合戦に衣装になります。
先ほども映像でちょっと流れておりましたけれども、創造のゲームの中でも京都の馬ぞろえですね。その際に信長が着用していた衣装となります。ご覧のように、タイトル名にふさわしく非常に創造性のあるデザインです。
セールスポイントはリアリティーを汲んでいただきまして、総重量で35kg。非常にリアリティー溢れています。

天野
近くで見ても物凄く細かくできていますね。

小笠原
そうですね。非常に精巧にできています。

天野
有難うございます。さぁ大塚さんにお話を伺いたいと思うのですけれども、大塚さんは「信長の野望」創造の楽曲を手掛けられたということなんですが、コーエー・テクモの方なんですね。

大塚
はい。コーエーの方でサウンド制作部というところに所属しております。
三國志12というタイトルで社内初の試みであるオーケストラ生収録と社内作曲という大役を一任されましてお陰さまでご好評いただきまして、今回の「信長の野望」創造では、シブサワプロデューサーからご指名いただきました。

天野
有難うございます。その大塚さんの楽曲が使用されております「信長の野望」創造は「信長の野望」シリーズの30周年記念作品として昨年12月にWindows、PS3版で発売され、今年の2月にはPS4版、そして5月末にはPS Beta版も発売が予定されるなど着実にファンを広げているわけなんですけれども、来場されているファンの皆様に、小笠原プロデューサー、改めて一言ここでお願いできますか。

小笠原
はい。「信長の野望」創造はですね、30周年記念タイトルということで第一作から30年経過した状態で、ナンバリングとしては14作目にあたるタイトルなんですけれども、そういった長い期間と長いナンバリングにも関わらず、この「信長の野望」創造、発売日のセールスがシリーズ史上最高を記録しておりまして、本当に多くの皆様に楽しんでいただいております。
私自身も第一作目からのファンで、開発メンバーにもシリーズを愛する人間が沢山いるんですけれども、30周年記念ということでこれまでにない力を注いで作ったタイトルですので、皆様に本当に感謝を申し上げます。

天野
有難うございます。さぁ、なんとこの「信長の野望」なんですけれども、今年度の第19回AMDアワードにて優秀賞を受賞いたしました。こちら、その授賞式の模様です。皆さん、スクリーンにご注目ください。
ここでも、今、小笠原さんが着てらっしゃる衣装が写っていますね。
そして明日、3/31はオープニングでシブサワさんの方からもお話がありましたけれども、一般社団法人 日本記念日協会に認定された「信長の野望の日」ということで、この両方を記念して"創造"をお楽しみいただいている皆様に向けて、嬉しいお知らせがあると伺っているんですけれども。

小笠原
はい。「信長の野望の日」ということで皆さんにしっかり覚えていただくために、「信長の野望」創造の無料のDLコンテンツを来週水曜日4/2に配信することに決定いたしました。
こちらの内容はですね、歴代シリーズの顔CGの追加をはじめ、つい先日3/20に発売になったばかりの戦国無双4の顔CGが入っている他、本日お聴きいただいた天翔記や将星録のBGMなども入っておりますので、是非、皆様忘れずにですね、週が明けての水曜日、皆さん、DLしていただきたいと思います。

シブサワ
これ、無料なんですか?

小笠原
無料ですね〜。

シブサワ
だったら、あそこの一番上の"無料"って、もっと大きくして見えるようにしなくちゃ(笑)でも凄い太っ腹!

小笠原
30周年に是非、皆様、「信長の野望」に!で、ここでコミットしちゃうのもなんなんですけれども、毎年なんか「信長の野望」に関する盛り上げをやっていこうと思っていますのでご期待ください。

天野
有難うございます。「信長の野望」創造の無料DLコンテンツ、「信長の野望の日」記念セットは4/2の水曜日に無料配信開始ということです。
現在、創造をお楽しみいただいている皆様、そしてこれから楽しんでいただける皆様もどうぞご期待いただきたいと思います。
さて、長らくお送りして参りました「信長の野望」30周年記念コンサートも、今からお送りする「信長の野望」創造の曲で最後となります。
改めましてご来場の皆様にご挨拶をお願いしたいと思います。まずは小笠原プロデューサー、お願いいたします。

小笠原
はい。本日はご来場いただきまして誠に有難うございます。
ここまで歴代シリーズの名曲の数々をお聴きいただいたんですけれども、殿をつとめるこの「信長の野望」創造のBGMに関しては、まだ皆さん絶賛プレイ中の方も沢山いらっしゃると思うんですけれども、スピーカーから聴こえてくるのとは全く違う生演奏の迫力を是非、ご期待ください。本日は有難うございました。

天野
シブサワさんお願いいたします。

シブサワ
お陰様で30周年を迎えることができまして、本当にファンの方々に感謝をしたいと思います。
次の40周年が迎えられるよう精進をしてまいります。
高い評価をファンの方々からいただけますよう、色々な工夫をしながら、もっともっと良い面でリリースしていきたいと思います。
勿論、歴史シミュレーションゲームが王道であるこの「信長の野望」シリーズ作をこれから重ねてまいります。
また様々なジャンル、様々なプラットフォームにも新しいゲームとして「信長の野望」が衣替えをしながら皆さんの前に登場する可能性もありますので、是非、これからも信長の野望のご支援をお願いいたします。
本当に今日は有難うございます。

天野
有難うございました。それではお聴きいただきたいと思います。
「信長の野望」30周年記念作 創造より、"雄志の風"です。皆様本日は本当に有難うございました。
最後までごゆっくりお楽しみください。

19曲目「創造 雄志の風」スクリーンには創造のタイトルや武将たちの顔グラフィック。

-encore-

20曲目 「Jupiter」(vo:平原綾香再登場!)
21曲目 「創造 甦生」スクリーンには創造のタイトルや武将たちの顔グラフィック。
22曲目 「全国版・Overture〜信長の野望〜(コーラス有アレンジ)」

山下・オーケストラ退場し、終演。

copyright1
(制作:木戸涼)

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