Mr.Win's Room

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Paul McCartney


最終日の"Yesterday"より

東京ドーム 2013年11月18日、19日、21日

-setlist-
1. Eight Days A Week
2. Save Us
3. All My Loving
4. Listen To What The Man Said (19日はJet)
5. Let Me Roll It
6. Paper Back Writer
7. My Valentine
8. Nineteen Hundred And Eighty Five
9. Long & Winding Road
10. Maybe I'm Amazed
11. I've Just Seen A Face (19日はThings We Said Today)
12. We Can Work It Out
13. Another Day
14. And I Love Her
15. Black Bird
16. Here Today
17. New
18. Queene Eye
19. Lady Madonna
20. All together now
21. Lovely Rita
22. Everybody Out There
23. Eleanor Rigby
24. Being For The Benefit Of Mr.Kite!
25. Something
26. OB-LA-DI,OB-LA-DA
27. Band On The Run
28. Back In The U.S.S.R
29. Let It Be
30. Live & Let Die
31. Hey Jude

-1st encore-
32. Day Tripper
33. HI,HI,HI
34. Get Back(19日はI Saw Her Standing There)

-2nd encore-
35. Yesterday
36. Helter Skelter
37. Golden Slumber
38. Carry That Weight
39. The End

【感想】
大阪2Daysが終わった後、ポールは新幹線で福岡に移動し、大相撲を観戦。
その様子はニュースや新聞でも大きく取り上げられました。

この時、懸賞金に興味を示したポールは、15本出すことに。
実際に東京公演の最中、九州場所で「ポール・マッカートニー アルバム NEW 発売中」という懸賞旗が土俵をまわると場内からは歓声が上がったようです。

そして福岡公演では"Get Back"に代わり"I Saw Her Standing There"が登場。
MCでも開口一番で「帰ってきたばい」、そして「もう一曲、どげんね?」など博多弁も登場したとか。

湯川れい子さんのツイッター情報によれば、その後、東京に着いたポールは、赤坂、山王の老舗中華料理店の個室で、シーフードと野菜のお料理を食べて大満足。オーナーさんをコンサートにご招待したそうです。
そしてサイクリングで東京散歩するなど元気な様子で、東京初日を迎えたのでした。

[東京ドーム初日]
東京ドーム初日は、声の調子が素晴らしく大阪2Days以上の出来!
大阪の時も思ったのですが、"Save Us"のアウッアオッ〜!という間奏前のシャウトの出来から、その日のコンディションが分かります。

そしてポールの凄いところは、シャウトする曲の直後にファルセットのあるバラードを歌えるというところ。
水分補給もしないでやっているということは、喉の強さもさることながら、よほど発声がしっかりしていないとできない。
そういう意味では音楽家としてプロ中のプロだと思います。

大阪では"Let It Be"を震災の被災者にささげると言っていましたが、東京ではアンコールでの"Yesterday"が福島の被災者に捧げられました。
セットリストは"Get Back"が戻って、大阪同様でしたが、観客のノリも含めベストな1日だったといえます。
後楽園〜会場までのイルミネーションなど、大阪ドーム以上に高まったワクワク感をさらに上回った素晴らしい出来でした。

ちなみに福岡ドーム同様、終盤の挨拶時に四股を踏む真似などあり、相撲は相当お気に入りの模様。
以前の来日時も相撲観戦には行ったようなので、好角家と言って差し支えないでしょう。

余談ながら、公式ウェブサイトでのインタビューによると、「日本の全ての地域を知らないけど、東京と京都の二か所は好きな場所だ。東京は近代都市的な雰囲気で刺激的だし、京都は日本文化の歴史や古い伝統が残っていて、個人的に興味がある。」とのこと。
東京出身で、京都に住んでいる身としては嬉しい限り。

[東京ドーム2日目]
そして東京ドーム2日目。
この日は遂にセットリストに変化が!
4曲目が、"Listen To What The Man Said"から"Jet"に!
そして11曲目が、"I've Just Seen A Face"から"Things We Said Today"に!
さらには福岡同様、"Get Back"が"I Saw Her Standing There"に替わり、前日から3曲も変更されたのです。

"Jet"のイントロが始まった時は、ワーッと心の中で叫びました。

喉の調子は若干悪かったようで、「ポールにしては」音程が不安定だったり伸びがイマイチな部分もありましたが、それでも水も飲まずに歌い続けるのはさすがの一言です。

MCは殆どが大阪から同じ内容ですが、「有難う」の発音が良くなったり、"超(ちょう)"という日本語を覚えたり、変化も。
サイドスクリーンに映る日本語翻訳の紹介は大分簡略化されました。(紹介時のテスト翻訳がなくなった)

個人的には、今回唯一の2階席ということで、大分高い位置からでしたが、"Day Tripper"が始まった瞬間、2階すらも総立ちになった時は大興奮でした。

[最終・東京3日目]
前日に、ローリングストーンズの翌年3月オーストラリア公演がアナウンスされ、その前後で来日公演があるのが決定的になる中、ポールは今日が最終日。
東京ドームでは昼から当日券狙いのファンが沢山並んでいたようで、私が着いた18時頃にはすでに物凄い熱気に。

後で聞いた話なのですが、当日券の長蛇の列に並んでも買えなかった人がいるようで、最後に購入できた人に「俺たちを見捨ててみるのか〜!」みたいな罵声(?)が飛んでいたとか。ご愁傷様です(^_^;)

またグッズ売り場の大混乱していて、東京初日・2日目と場内でも売っていたパンフが場外売り場でしか買えなくなっていた模様。
場内で買うつもりだった客が係員と小競り合いを演じていたなんて情報も。
そうした混乱も影響してか、パンフレットについては、終演後「インターネット通販します」との案内が出ていました。

この日はサウンドチェックが押したようで開場が30分ほど遅れた模様。(衛星放送用に録画されることも影響したか?)
入場口ゲートが異様に混んでいたのは、そのせいかもしれません。

入場といえば、この日は入場時にサイリウムが配られており、
「今日のライヴアンコールで"Yesterday"が演奏されます (ネタばれすいません)。その際、アルバム"New"のイメージカラー・赤のサイリウムを観客全員で振ってください(キョードー)」
というチラシが。

正直、プロモーターがオフィシャルにネタバレするのは、皆知っているにせよ如何なものかと思うのですが(せめて2ndアンコールの1曲目とかにすれば良かったのでは?)、サプライズ自体は面白そうなので参加。これは結果的にとても綺麗な光景を作り上げることになります。

この日は初めて3塁側のスタンドだったのですが、5公演目にしてようやくセンタースクリーンが観やすいポジション!
「最終日ながら、これまで観れなかったものが観れる!」という新鮮な気分、そして「これが(来日も含め)最後の生ポールかも」という感傷的な気分も入り混じりつつ会場が暗転。

ポールが登場し、今日も"Eight Days A Week"からスタート。
やはり会場の盛り上がりは、この日が一番でした。
"All My Loving"で正面スクリーンに若かりし日々のビートルズが映し出されると、やっぱり感動します。
この日は早くもここで涙が。
スクリーンといえば、各曲で映るメンバーの演奏シーンは「この曲のこのバースはエイブの手元アップ!」みたいな感じに細かく決まってましたね。5公演観て、全部決まったタイミングで、同じ角度から同じメンバーを撮ってましたから。

セットリストは大阪と同じものに戻りましたが、やはり何度聴いてもいい。
個人的には、"Nineteen Hundred And Eighty Five"、"I've Just Seen a Face"といったちょっとマイナーな曲が公演を通して凄く気に入ったので、かみ締めるように聴いていました。

勿論"Let Me Roll It"、"Maybe I'm Amazed"、"We Can Work It Out"、"We Can Work It Out"、"Black Bird"など定番曲も最高!"New"はポップメイカーとしてのポールが今でも第一線級だと実感。
ビーチボーイズの"That's Why God Made The Radio"もそうですが、ビーチボーイズらしい曲だったり、ポールらしい曲を作れる、ブライアン・ウィルソン、ポール・マッカートニーは本当に凄い。

"Something"はジョージの写真が11年前と変わっていましたね。ただ11年前の方が枚数が多く、ひょうきんな表情もあったので、その点は前回の方が良かった。

"Band On The Run"以降は例のごとく大興奮の連続で、"Band On The Run"で泣き、"Back In The U.S.S.R"で拳を突き上げ、"Let It Be"で神聖な気分になり、"Live & Let Die"の迫力に目を奪われ、"Hey Jude"では一緒に歌いました。

"Day Tripper"のリフは何度聴いても興奮します。ロックでブルージーで。
"We Can Work It Out"と両A面が揃って演奏されたのは嬉しいの一言!
"HI, HI, HI"はビートルズ・ソングに混じってしっかりアンコールに入っているのが嬉しい。

そして"Get Back"で盛り上がった後、いよいよ"Yesterday"。
演奏が始まる前から、サイリウムが多数点灯しており、歌の最中には赤いランプが会場中に。
それはそれは綺麗でした。しかし、ポールのヒット曲の多さ、物凄いね。ダレるところがなく盛り上がりっ放しだもんなぁ。

"Golden Slumber"からのメドレーの前、ポールのMCで「今日が東京最後の夜、最後の日本の夜なんだ」というコメントがあり、もしかして最後の来日という意味かな、と一瞬焦りましたが、最後に「また会いましょう!」との言葉が!
"Abbey Road"のメドレーで終わるというこれ以上ない感動的なラストは感涙もので、その上で、「また会いましょう!」だから、最高でした。

いやぁ、ポール。71歳とは思えない元気ぶりでした。ボブ・ディランにせよポールにせよ、本当に格好良い歳の取り方してます。あっという間の10日間。
また来てくれるのを信じて、今は余韻に浸りたいと思います。


(制作:木戸涼)

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