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イタリア縦断 ボブ・ディランとイタリア芸術探訪の旅 vol.47

旅を終えて



昨晩のタクシー争奪戦を終え、帰宅日。
帰りの便がミラノからなら多少余裕もあったのだが、何を血迷ったのか、ローマからにしていたため朝一の列車でローマに戻り、そのまま帰国。
ローマにも良い喫茶があると知っていたので、寄れなかったのは残念。また次回こそ。。

……というわけで、長かったイタリア旅行レポは以上!以下、後書きにかえて。

実はこのレポートが最終完成したのは2017年に入ってから。実に4年かかったことになる。
多忙で更新作業にあてる時間が無かったことが主要因で、レポの殆どは旅の最中に書いたメモ。
時間を要したのは客観的な事実確認や補足説明の追加で、そうした作業をして旅を振り返り、自分でも当時の記憶が鮮明なことに驚いた。(各ページの更新日は、そうした補足作業をする前、本文の一次完成日)
行った場所の順番、食べたもの、旅先での会話など、全てはっきりと覚えており、それだけ心に残る旅だったのだと思う。

旅で最も印象に残ったのは、やはりボブのローマ公演2Days。特にいきなりセットリストが変わり、久しぶりに"Like A Rolling Stone"が登場した初日の熱狂は忘れられない。
……パドヴァでのタクシー争奪戦も忘れられない(笑)

都市では、フィレンツェが一番気に入った。
街そのものが世界遺産というのも納得の美しさで、ポンテ・ヴェッキオ界隈、ドゥオモ界隈は素晴らしいの一言。

京都も過去と現在が同居した美しい都市だが、規模、そして遺産を残し、活用しようという市民意識はフィレンツェに軍配が上がると思う。
ジョットの鐘楼から眺めた光景は、宝と呼ぶに値するものだった。

ルネッサンス美術ということでは、もう何日間も体中に浴びたわけで、いやはや恐れ入りました、という感じ。
ただ、教会にせよ、美術館にせよ、どこに行っても壁面中、無色の空間が無いぐらい絵で埋め尽くされている様は、ややtoo muchに感じる部分もあった。
手が加わっていない空間やありのままの自然を活かしたものも好きな身としては、「よくここまでやるなぁ」と思う瞬間もあり。

無論、最高の技量を持つ画家たちの絵で埋め尽くされた壁面も美しいし、自然なものも美しい。ベクトルが違うし、比較すべきではない。
実際、システィーナ礼拝堂は感動の一言だった。

ただ、旅で出会った作品のうち、一番印象に残っている作品を挙げるならば、スフォルツェスコ城にあったピエタ像だ。
レポート内でも書いたように、ミケランジェロの生涯を知れば知る程、味わい深い像で、グッとくるものがあった。

ヴェネチアやナポリなど、イタリアには他にも有数の観光都市がある。また機会があれば行ってみたい。
その時がまたボブ、あるいはトム・ウェイツ辺りのコンサートも兼ねてのものになれば、これ以上幸せなことはないのだけど。

随分と長いレポになってしまいましたが、読んでくれた方は有難う。旅の参考になれば幸いです。


(2017/09/03)


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