カリフォルニア ボブ・ディランとビートニク探訪、そしてオープンマイク出演の旅 vol.10 昨晩でDylanの公演が全て終了。 でもまだ大事なイベントが残っている。 それがSan Franciscoでのオープンマイクへの出演だ。 昨日までは観る側だったが、今日は演奏する側!ということでワクワクしますが、その前にまだ行けていない場所への観光を1つは済ませたい!というわけで昼過ぎにはSan Franciscoに戻りました。 BARTのEmbarcadero駅で降りてタクシーを拾って行ったのは初日に前を通っただけのCity Lights Booksell & Publishers。 ビートニクの聖地中の聖地といっていい場所だ。今度はしっかりと中に入る。 入ってすぐ右にある小さな階段。これが従業員用の部屋への入り口か。 そして奥に進むと"Poetry Room"への階段がある。 階段の途中にはビートニクたち、中にはDylanの写真もある。 2階に着くと、沢山の詩集が。ギンズバーグ、ケルアック。他にも沢山。 ポストカードも売っており、Tom Waitsの格好いいカードがあったので購入。 購入といえば、Ciy LightsオリジナルのTシャツやバッグも売っており、白いバッグ("Hawl"のプリントがある)が非常にいいデザインだったので購入。 そのCity Lights Booksell & PublishersからBroadwayを挟んで向かい側にThe Beat Museumがある。 その名の通り、ビートニク関連の資料が展示されているミュージアムでビートニク関連の書籍、ポストカード、レコードなどが売っている。 ミュージアムといっても1階の一部分と2階だけなのでじっくり観ても1時間強あれば十分回れるレベル(ただしビデオ上映ルームは時間の都合で観なかったため除く) アレン・ギンズバーグが使っていたオルガンやジャック・ケルアックの上着、色んなビートニクのサインや初版本などが置いてあり、非常に面白かった。 その後、Grant Ave.を上がりMo's Grillでハンバーガーの昼食。 日本にあるアメリカン・バーガー・ショップと同じ量・味だった。。 さてオープンマイクの会場入り時間も近づいているので、そろそろホテルにチェックインして、会場に行かないと。 流しのタクシー(North Beach界隈は結構走っている)を捕まえて、ホテルに荷物を置き、メールを開く。 ……とここで予想だにしない事件が!! 出演予定だったSunday Open Micのオーナーからメッセージが届いており確認すると「本日、身内に不幸があったためSunday Night Micをキャンセルせざるを得なくなった。。申し訳ない」とのこと。 おいおい!こんな直前になってなんだそりゃ!! いきなりの連絡に唖然とするが、ここまで来て演奏する気満々の状態で諦めるわけにはいかない。 googleでsan francisco, sunday, open micで片っ端から検索しましたよ。 するとHaight AshburyにあるMadroneというライヴバーで今日オープンマイクがやっているという情報を見つけた。 Haight Ashburyなら遠くない。これは行ける! 勿論楽器は何も持っていないがこうなりゃ直接交渉だ。 いざとなったら他の出演者にギターを借りればいい。 そんなわけで演奏する気満々の勢いに任せてMadroneへ! 着くと、いわゆるアメリカンバーで店の奥でメジャーリーグの放送がやっていて、手前にステージがある。 既に10人ぐらいのお客さんがいて、半分以上は野球を見ている。 そんな中、出演交渉開始。 「ここで今日、オープンマイクをやるって聞いたんだけど」 「あぁ、そうだよ。今日はライヴの日だ」 「僕も出たいんだけど、楽器を持ってきてないんだ。ギターかピアノは借りれる?」 「ちょっと待って。すぐマスターが来るから聞いてみよう」 そして5分後マスター登場。 「彼が出演したいそうなんだけど」 「おお、初めまして。勿論OKだよ」 「楽器を持ってきてないんだけど、ギターかピアノは借りれる?」 「両方ともあるよ。どっちにする?」 「じゃあ、両方(笑)。何曲演れるの?」 「時間は15分間。その間なら何曲でもOKさ」 「オリジナルだけ?カヴァーもOK?」 「どっちも大丈夫だよ」 「OK...じゃあ、まずギターで2曲、それからピアノで1曲演ろう」 「弾き語りにする?それとも演奏だけ?」 「ギターは両方弾き語り。ピアノはインストゥルメンタルを演る」 「OK.出演順は何番目がいい?」 「時間は大丈夫だから、何番でもいいよ」 「よし。じゃあ18時30分にスタートだ。2番目に出てくれ」 というわけで交渉成立! カポ(アメリカの発音だとケイポタストなんですね)も借りて、ピックも借りて、1番目の人が終わって演奏開始。 セットリストは以下の通り 1. Punk's Attitude (original song) 2. Tangled Up In Blue (cover song of Bob Dylan) 3. Moon and Light (original instrumental song) 1番目の人が演奏している間は観客の殆どが野球を見ていたのですが、私の番になってから徐々に演奏の方に来てくれる人が! 拍手も結構もらえて嬉しい! 演奏後、姉弟で来ていたお客さん、1番目に出演した男性、野球からライヴの方に来てくれたおじさんなど次々と「良かったよ。最初の曲が好きだ」とか「Dylan好きなのかい?俺もあの曲は好きだから嬉しいよ」とか「ピアノの曲がいいね」とか「君の声、いいね!」など感想を言ってきてくれて、しかもあるお客さんが「喉は渇いてないかい?今日は全部奢ってやるよ!ギャラの代わりだ!」と奢ってくれた! 個人的には初めて使うギターとピアノなのでミスも大分あったし、マイクのエコーなど音響上の不満もあったが、勢いで乗り切った感じ。 京都でライヴ出演を不定期ながら再開したことで少しずつ勘が戻ってきている。 ともあれ良かったと思っていると、出演者が一巡終わったあと、マスターが来て「ヘイ、涼!もう1回出れるか?アンコールだ!」 というわけで、アンコールまでさせていただきました。 -encore- 4. God Only Knows (cover song of The Beach Boys) 5. Poor Love (original song) "This next one is a song of The Beach Boys"と言った時に"Yeah~!"と歓声が上がったのは、Californiaらしい。 ここでも温かい歓声をもらい、マスターからも"Great Performance"と握手してもらえたのが凄く嬉しかった。 勿論、社交辞令の面もあるかもしれないが、この後10人ぐらいの人とメール交換をしたということは、それだけの人に興味を持ってもらえたということだ。 中でも、ここCaliforniaでライターをやっているアモスさんとは、Tom Waitsが好きということでも話が合い、彼の出演作や日本、アメリカのアーティストを紹介しあった。 結局、Madroneには4時間ほどいた。(出掛け、緊急事態で慌てていたため写真が撮れなかったのが残念!) 予想外の展開(初めてのCaliforniaでのライヴ、しかも文字通り飛び入り)になったが、結果的には良かった。 でも、Sunday Mic Liveも教会が会場ということで楽しみにしていただけに次回来た時は是非、また出してもらいたい。 オーディエンスの皆にお礼を言って、Madroneを出る。 気分良く元気に歩く。 …あれ?ホテルに着かないなぁ。 ……もしかして。。 ………あ、やっぱり。。 地図を確認したところ、歩く方向を間違えていた。。 15分程無駄にしつつ、ホテルに帰る。 あ〜今日も足が棒のよう。ともあれ、こうしてSan Francisco最後の夜はふけていくのでありました。 (2012/10/21) |
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