Mr.Win's Room

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カリフォルニア ボブ・ディランとビートニク探訪、そしてオープンマイク出演の旅 vol.8

今回最後の公演地がSacramento。
California州の州都だ。ゴールドラッシュで栄えた土地で、博物館など関連施設もある。
Berkeleyからは車で1時間強、北に行ったところで、今回はAMTRAKで鉄道の旅。
大体2時間ぐらいかかるようなので、日本で言えば、東京から名古屋に行くような感覚だろうか。

Berkeleyに長くいるよりはSacramentoに早めに着いて観光したかったので、朝7時に起床。8時にタクシーを呼んでもらいEmeryville AMTRAK駅へ。
駅自体はBerkeley AMTRAK駅の方が近いが、どうやら無人駅(しかも車道のすぐ下で駅舎もない)ということで、Emeryvilleにした。
何せ初めてなので。何かあった時駅員に訊けるというのは重要だったりする。

……しかし眠いな〜。。昨晩、Berkeleyの宿では、夜中の3時頃、ドアをどんどんノックされて何かと思って窓から見たら、黒人少年が「僕の部屋、ここじゃないよね?」とか何とか言ってきた。
一言"No!"と言ったら、逃げていった。……なんなんだ?

ちなみに寝付くまでも上のフロアの宿泊客がデカい音出してワーキャーやっていた。ありゃ絶対に学生だな。
壁が薄い部屋ってこれだから嫌なんだよな。

というわけでEmeryvilleへ。ちゃんとした駅舎があり中には売店もある。



駅の時刻表には東行き、西行きそれぞれの時刻が書いてあり、電光掲示板にはまもなく到着する列車の時刻が。
出発時刻までは駅舎の中で待ってるか……と思った時、構内アナウンスが。
「9時10分東行きの6番列車は1時間の遅延が出ています。このため○○××」
はぁ!?1時間!?噂には聞いていましたが、こういう遅延が日常茶飯事なのね。。
○○××のところがよく聞こえなかったので駅員さんに尋ねたところ、先に来る東行きの列車に振り替えで乗せてくれるらしい。

……良かった。Emeryvilleにして。これ、無人駅だったら多分、よく分からず混乱してた気がする。

というわけでSacramentoに向けて出発。



途中、海が見えたり、牧場があったりと綺麗な景色もありつつ、1時間30分ほどしてSacramentoに到着。



州都だけありかなり立派な駅で、駅前からバスやタクシーも出ている。
まずは歩いて3分程にあるオールド・サクラメントへ!



ここは昔ゴールドラッシュで栄えた頃のSacramentoの風景をそのまま残したようなアミューズメント地域で、西部劇に出てきそうな場所。入り口には電車博物館、Sacramento History Museumが並んでいる。

まずは街並みを眺め、店を1つ1つ覗いていく。
樽に入ったキャンディーが並ぶお菓子売り場。



革製品を売っている店。バーガーショップ。
チョコレート工場があった一角からはチョコレートの甘い匂いがする。



革の鞄に財布を買い、土産にチョコレートを買い、レストランで食事を済ませる。
少し歩くと、写真館があったので中に入ってみる。
壁にはビリー・ザ・キッドやボニー・アンド・クライドのようなセピアがかった写真が。いいねえ。
この時、私は何故かハイテンションだった。
普段なら特にこの手の写真を撮りたいとは思わないはずが、無性に記念撮影をしたい気分になったので店内のおばさんにお願いした。
前の客がこれから撮影するので、その後だという。
「ビリー・ザ・キッド風の感じで撮影をお願いしたいのだけど」
「ビリー・ザ・キッド!いいわねぇ。カーボウイ風な感じね!衣装はそっちにあるから待ってる間、選んでて」
そう言われて帽子から服、果てはピストルまで選んでみる。
帽子は茶色よりも黒の方がいいな。服は敢えてホーボーのようなスタイルを選ぶのも手だけれど、そうすると帽子との一貫性がない。
……こんな具合に選んでいる間に、5分程で前の客の撮影が終了。
おばさんがこっちに来る。
「あら、いいじゃない。その衣装ならピストルはこれがいいわ」
おばさんが手際良くベルトを締め、ピストルを入れてくれた。
さぁ撮影開始。
「どんなポーズで撮る?」
「ピストルを構えるよりも自然に不敵に立ってる感じでいこうか」
「分かったわ。まずはそのポーズで」
「OK」
「ねぇ、次はピストルを構えてみて」
「こう?」
「そう。私を打つ感じで」
「よし、片手で十分だ」
「両手でも打ってみてよ」
「こう?」
「打たれた!いい感じね」
「こんなのは?ピストルを向けられて両手上げてるポーズとか?」
「面白いわ。それいいわよ!」
「でも表情には余裕があるんだ。なにせビリー・ザ・キッドなので」
「Good!次は横向きもどう?」
「振り返ってる感じでも撮ろうか」
……こんな感じで撮影していたら30分経ってました(笑)

写真の大きさやフォトケースを選んで、完成を待つ間も「Bob Dylanの"Knockin' On The Heaven's Door"。あれは、ビリー・ザ・キッドの映画の主題歌だったね」などとDylan話で盛り上がり、「あなた英語上手いわね。こっち(アメリカ)に住んでるの?」と訊かれチョット嬉しい気分に。

「有難う。でも実際のところリスニング能力はまだイマイチなんだ。話すのはそこそこいけると思う。表現力はあるから」
と言うと、「リスニングなんてしばらく聴いてれば慣れるわよ。私もメキシコから来たけど慣れたし」だって。

できあがった写真、特に両手を上げている(そして何故か自信ありげな)写真で大笑い。
「じゃあ、Dylanのコンサートも楽しんできてね!良い旅を!」
おばさんと別れた後、鉄道博物館へ。



私はあまり鉄道に興味はないが、博物館内には所狭しと昔の列車や客室、鉄道史のパネルなどが並んでおり、それは壮観だった。
路線がどんどん拡張していく様子や車内サービスの変遷を見るだけでも楽しめるので、行く機会があれば是非。



最後にSacramento History Museumへ。ゴールドラッシュ時の写真や金の採取方法などが紹介されていた。

Old Sacramentoは思ったよりも面白く、丁度昼過ぎまで楽しむことができた。(逆に言えば半日が限界、という気もする)
楽しんだ後は駅からタクシーでホテルへ。
安い割にやけに立派な部屋!多分、今回の旅で一番良い部屋じゃないだろうか。小躍りして喜ぶ(笑)

さぁ夕方になった。今日もこれからボブのライヴ!

(2012/10/20)


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