Mr.Win's Room

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Bob Dylan @ Greek Theatre, Berkeley, CA, USA 19.10.2012



(ステージで演奏するボブ)

-Set List-
1. Watching The River Flow
2. To Ramona
3. Things Have Changed
4. Tangled Up In Blue
5. Cry A While
6. Make You Feel My Love
7. The Levee's Gonna Break
8. Shelter From The Storm
9. Highway 61 Revisited
10. Desolation Row
11. Thunder On The Mountain
12. Ballad Of A Thin Man
13. Like A Rolling Stone
14. All Along The Watchtower

(encore)
15. Blowin' In The Wind

(感想)
さぁ再びGreek Theatreに到着。開演を待つファンが増えている。



中には日本人?韓国人?アジア系のおばさんたちもいた。



この日も日替わりポスターを買い、会場に入るとそこはまるでコロッセオのような石造りの円形会場!!



こんなに情緒溢れる美しい場所で観れるの!?凄い!!!

マーク・ノップラーが登場して"What It Is"が始まる。



この曲のオリエンタルな感じがまた風景にマッチしている!言葉にしがたい素晴らしさ!
……とその時、客席から多分、酔っ払ってるおっちゃんが"Paint it black!!"と叫ぶ。

(おい、それはストーンズだろうが!)

と心で突っ込みを入れてると、隣のおじさんが"Wrong band..."と突っ込み、逆隣のおばちゃんが大爆笑。

気を取り直して(^^;)マークに集中。"Done With Bonaparte"それに"So Far Away"などライヴを通して好きになった曲が演奏され心地よい気分になったところでマークのステージが終了。

するとさっき爆笑していたおばちゃんが話し掛けてきた。もはやお決まりのパターンです(笑)
おばちゃんに"聴きたい曲ある?"と訊かれ、「沢山あるね。新作から聴きたいなぁ。いずれにせよ"Paint it black"はいいや。ここにはミックもキースもいないようだから」と言うと、ウケていた。
おばちゃんはストーンズも大好きらしく、ロンドン旅行の話、特にチェルトナムまでブライアン・ジョーンズの墓や実家に行った話をしたら、とても喜んでくれた。
ブライアン・ウィルソンの公演についても話したところ、「ビーチボーイズといえばカリフォルニア!大好き!」とまたもや意気投合。
このおばちゃんにも「あなたこの近くに住んでるの?」と訊かれ、旅行客だというと「英語上手いわね!」と言われて気分良くなりました(笑)
「どこで習ったの?学校以外でも勉強したの?」と訊かれたので「Bob Dylanの曲で教わったんだ。例えば……」と"The Times They're A-Changin'"を全部歌ったら喜んでくれた。



夕暮れ時になり、紅色のライトが会場を照らす。もうこれだけで興奮。
さぁ今日もメンバーが登場。開演前のリハ通り、1曲目は"Watching The River Flow"。
そして2曲目で"To Ramona"が登場!やはり2曲目は日替わりで違う曲のようです。
わざとつっかえるようなヴォーカル、それにピアノを無造作に叩く今回のアレンジも悪くないですが、この曲は2001年の仙台が一番良かったなぁ。

そして"Tangled Up In Blue"。
あ、3番で歌詞を忘れてごまかした!絶対ダンスに夢中だったな!今(笑)

サンフランシスコ初日でも演奏された"Cry A While"に続いて演奏されたのは"Make You Feel My Love"!
Adeleのカヴァーも良いですが、ボブが一番。歌い上げるのではなく、呟くようなラヴ・ソングになっています。

続いて"The Levee's Gonna Break"!日本公演ではイントロからリフが強調されていましたが、今回は抑え気味。
その分、ボブのピアノが前に出ていました。途中から気に入ったフレーズをリフ代わりに繰り返すのは他の曲と同じパターン。その断片に"Duquesne Whistle"のイントロっぽい音もあったりして、最近のボブのお気に入りのフレーズが垣間見えます。

そして今日のハイライト!まず"Shelter From The Storm"登場!!!!
温かいムードは相変わらず。この曲を、↑のような会場で聴いているのを想像すれば、それだけで感動的なのは分かるかと思います。
これも来日時同様のアレンジを基調に、ピアノを前面にしているので、受けた印象は大分変わっていました。

続いて"Highway 61 Revisited"を挟んで"Desolation Row"!
日本では何度も演奏されていましたが、ここ3公演では初登場!これもグランドピアノが合う曲。
この曲でもジョージのドラムはシンバルの入れ方が絶妙で。チャーリーかな、間奏でボブとは違うフレーズを弾いてみたりと長い曲なのに中だるみしない構成になっており、これまで聴いた中でもベストと言える演奏でした。

この後は定番曲でしたが、"Like A Rolling Stone"に変化が。
ボブのピアノは、ここまでの2公演ではリフと調和させたものでしたが、"You never turned around to see the frowns on the jugglers and the clowns"からの"How dooes it feel?"では、敢えてリフを崩そうとするようなフレーズに!
これに合わせてバックのギターも(今回のキーはC#だったのですが)C#→F#→G#ではなく、C#→G#になっていました。
ボブは有名過ぎるリフを崩すことで新たな面を引き出そうとしているのかもしれません。

最後の"Blowin' In The Wind"でライヴが終了。このアンコールの頃には、結構前の方の席まで行くことができて良かった!
残すのはあと1公演。Sacramentoです!

(2012/10/19)


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