100歳の少年と12通の手紙 2012年9月15日(土)13:00開演 会場:東京グローブ座 原作:エリック=エマニュエル・シュミット オスカー:成海璃子 ローズ:江波杏子 【ストーリー】 白血病で自分の余命があと12日だと知ってしまった10歳の少年オスカー。 自分に本当のことを言わず、腫れ物に触るようにしか接しない大人たちに不信感を抱いていたオスカーは、ある日ボランティアの女性ローズと出会い、彼女にだけ心を開いていた。 ローズから「1日を10年と考えて生きる」「神さまに1日1通の手紙を書く」ことを教わったオスカーは、残り少ない日々を精一杯生きる、新しい人生が始まる……。 【感想】 "100歳の少年と12通の手紙"は、フランスの作家エリック=エマニュエル・シュミットが一人芝居の脚本として書き、2009年に映画化された作品。 今回の朗読劇は日替わりで俳優やアナウンサー、歌手などが2人1組で朗読する試みで、この日は成海璃子さんと江波杏子さんが朗読した。 舞台には客席から見て左端にピアノ。中央には病室のベッド。 静かなピアノに合わせて男性ダンサーがベッド上でひとしきり踊り終わった後、髪が抜けて禿げてしまい帽子を被っている設定の成海さん(オスカー)。そして車いすに座った江波さん(ローズ)が登場。 成海さんのオスカーは、周囲の自分への扱いに、素直に口をとがらせるような少年らしい素直な声。 一方、江口さんのローズの声はドスが効いている。オスカーと対照的にゆっくりと重みのある声。「一見ぶっきらぼうで怖いけれど、オスカーのため元女子プロレスラーになりきっている」という設定を江口さんが解釈するとこうなったようだ。 ローズに心を開いたオスカーは、10歳ずつ歳を取り、各年代について神様に報告する。結婚し、妻の病気を経験し、老いていき、100歳を超える。 そして彼が亡くなった後、ローズは神様に、オスカーの死を涙ながらに語り、「ローズ(という設定)はオスカーのためだけに存在する」「一番辛いのは彼の両親でしょう」と語るシーンが聞きどころだった。 朗読中はベッドの下などにいて、場面転換時に踊っていたダンサーは、正直意味が分からなかった。神様という設定? また途中から、ピアノの横に、コーラス担当の男女が登場したが、この2名も必要性が分からなかった。 伴奏はピアノで充分だったと思う。オスカーの父母の声(一言、二言程度)を担当していたが、オスカーと同じ病院に入院している別の子供たちの声は江口さんがやったので、それなら父母の声も江口さんがやれば良かったんじゃないの?と。 2人の朗読なのに、なぜあそこだけコーラスにやらせたんだろう?というか、それなら、子供の声もコーラスにやってもらえば良かったのに。江口さんの声、どう考えても子供じゃなかったし。 ……と色々書きつつも、朗読劇はあまり観たことがないので、面白かった。 |
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