Mr.Win's Room

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小室哲哉


"Piano Solo Concert"
森ノ宮ピロティホール 2011年9月30日

-setlist-
1. Can You Celebrate?
2. Feel Like Dance
-mc-
3. My Revolution
4. Heaven & Earth
5. Self Control
6. 永遠と名づけてデイドリーム
-mc-
7. 1974
8. Beyond The Time
9. Human System
10. Seven Days War
11. Still Love Her
12. Carol
13. Time To Countdown(intro部分のみ)
14. Get Wild
-mc-
15. Sweey 19 Blues
16. Don't Wanna Cry
17. Sweet Pain(intro部分のみ)
18. I'm Proud
19. I Believe
20. Boy Meets Girl
21. Survival Dance
22. Depatures
23. Wow War Tonight
24. 恋しさと切なさと心強さと
25. Many Classic Moments
-mc-
26. Precious Memories


【感想】
小室さんがピアノコンサートをやると知ったのはもう何か月か前の話。もっともその時は九州だけということだったので行くのは諦めていたのですが、TM時代、それにGlobe時代の小室さんのピアノ(あるいはキーボード、シンセ)・ソロが好きな身としては観たくて観たくてたまらなかった。
その後、九州だけでなく、北陸を経て、大阪でも公演すると知ったのはつい最近のこと。Twitterでの小室さんの呟きで知りました。
翌日東京に行くので忙しい日程だったけれど、「これは絶対に行かなければ!」と思い、当日券目当てで森ノ宮ピロティホールへ。
同日近くの大阪城ホールでは浜崎あゆみのライヴがあったようだけど、ピロティホールはキャパ1000人程度の小さな会場。そんな小さい箱で小室さんが観れるというのは嬉しい。
ことあるごとに書いていますが、私にとって小室さん(そしてTM Networkの音楽)は大事なルーツの1つ。
"Human System"は永遠の名盤だと思うし、"Wild Heaven"はいつでも興奮させてくれる名曲。80年代以降というパイオニアになりづらい時代において、●●サウンドとしか形容できないジャンルを築いた稀有な天才だと思っています。
同時にピアニスト・小室哲哉も凄く好きで、たとえば(You Tubeにもアップされている)globe時代のツアーで、トルコ行進曲⇒くるみ割り人形⇒ミッキーマウスのテーマ⇒3連符⇒Time to count downになだれ込むという展開だったり、別の映像では、岡田有希子さんに提供した「水色プリンセス」を(ピアノの自動演奏も使いつつ)流れるように演奏したシーンだったり。
TM時代も"EXPO"ツアーで、(あのYAMAHAが総力を結集して作ったEXPOピアノで)ミュージカル"マドアゼル・モーツアルト"の曲や"きらきら星"まで十分に聴かせる演奏をしていたのは圧巻でした。
最近では、TMの"Remaster"ツアーでの"Get Wild"のイントロ部分。ジャジーな格好いいピアノは最高だった。

もっとも逮捕⇒復帰後の演奏は、ミスタッチが以前より多かったり、リズムが随分と崩れていたり。早弾きもあまり見られず、「衰えたんじゃないか?」と思ってしまう場面が多々あって。
そういう意味では、不安も抱きつつのコンサートでしたが、結論から言うと、「楽しめました」
確かに不安通り、演奏自体に全盛期の閃きは感じられず、コードを平凡に弾いているだけの曲あり、リズムがたどたどしい場面あり、ミスしたバースは無理やり飛ばすシーンあり……と決してクオリティーが高いとは言えなかった。シンセの音がかえってチープに聞こえてしまう部分も多々あった。
それでも何度となく聴いてきた曲を作曲者本人の演奏で聴けるということは、それ自体に意味があるとてつもない感動だったし、「この曲が聴けるとは!」と驚くような選曲があったのも嬉しい誤算。
どんなに演奏にたどたどしい部分があろうとも、メロディーの美しさや「次はどの曲だろう?」というワクワク感、それに何よりも10代の頃の記憶が音を補完してくれる。
やっぱり80年代、あるいは90年代にティーンエイジャーだった人にとって、小室哲哉という存在は多かれ少なかれ影響を与えられる存在だったと思う。
驚いたのは、多少マニアックな曲も含めて、演奏曲をすべて知っていたということ。

TM時代の曲は勿論、"Heaven & Earth"を聴けたのが物凄い嬉しかった。この曲は当時小学生だった私が、初めて好きになった小室作品。
映画(そして、映画に先駆けて放送された青年期のドラマ)"天と地と"を思い出します。

MCでは……
・少し前まで北陸公演をやっていた
・適当に曲名を書いた紙はあるけど、どの曲をどんな順番で演奏するかは、決めていない。その場で考えてやるので、皆さんもそれぞれの曲の思い出など振り返りながら聴いていただけると嬉しいです
・1人だとMCが持たないので、TM時代からの一番弟子、久保こーじ君を呼んでいます。
・「次はTMの曲を色々とやろうと思います」「皆さん、リクエストするなら今ですよ!(久保こーじ)」⇒客席から「月はピアノに誘われて!」⇒「月ピは木根さんの曲じゃない?」⇒「人の曲は、そっちの方がいいと思われたら嫌だからなぁ(苦笑)」 (ちなみに、"大地の物語"という声も。これも木根さんじゃないか(笑))
・「Girl!」というリクエストに、イントロをつま弾いて「はい、"Girl"はこれでOKね」
・遅れて入ってきた女性客をいじる久保こーじに、「お客さんはいじるな!」とツッコミ。
・(MCコーナーが終わり退場する久保こーじに)「次は、"Get Wild"やったら出て来てね」
・呼んでくれる会場があるからライヴができる。有難いこと。
・TMは品行方正というか、あまり武勇伝的なものはない
・TMの話をコンサートでするの初めてかも。
・(ラストで花束をもらい)音楽生活の中で初めて。大物歌手になった気分です
・来週は、クラブ出演でDJをしに、また大阪に来ます。来れる人は是非来てください。
・「終演後、小室さんの握手会をやります。今、日本でAKB48の次に握手をする男になっています(笑) (久保こーじ)」
等など。

終演後の握手会は、本当に会場の全員とやっていたので驚いた(笑)
私が行く頃には、完全にくたびれていて強制連行された宇宙人みたいになっていたので、とりあえず手を握った感じ。(1人5秒もない流れ作業だった(笑))
小室さんの手は薄く、柔らかかった。大きくて分厚かったBrian Wilsonとは対照的。この手が沢山のメロディーを生み出してきたんだなぁ、と感慨に耽った一夜でした。



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