Mr.Win's Room

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Bob Dylan

 

Zepp Tokyo 2010年3月29日

-setlist-
1. Rainy Day Women #12 & 35
2. It's All Over Now, Baby Blue (Bob on guitar)
3. Most Likely You Go Your Way (And I'll Go Mine)
4. My Wife's Home Town
5. I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met)
6. Spirit On The Water
7. Cold Irons Bound
8. Desolation Row
9. The Levee's Gonna Break
10. When The Deal Goes Down
11. Highway 61 Revisited
12. Can't Wait
13. Thunder On The Mountain
14. Forever Young

(1st encore)
15. Like A Rolling Stone
16. Jolene
17. All Along The Watchtower

(2nd encore)
18. Blowin' In The Wind

【感想】
今日は整理番号が今までで一番良かったこともあり、早々に会場入り。
最前列中央。丁度、センターマイクの真ん前(=ボブがキーボードを弾く際の顔正面)あたりに。
今回、前列は、ステージ真ん中で区切っていたのですが、その区切り左側の2番目という好位置!
「96年にイタリアでボブを観た」という横の女性や、来日の度に観ているという男性ファンとライヴが始まるまで談笑して最後のボブのステージを待ちます。
すると、比較的時刻通りにボブ登場!最後ということもあり、前列も「ボブ!ボブ!」の大歓声!
今日のボブは、白のハットに白のラインが入ったズボン。"Rainy Day Women"への歓声、"Everybody must get stoned!"の部分で、腕を振りかざす観客に本人も気をよくしたのか、物凄い笑顔。
ジョージやドニーの方を見て、噴き出さんばかりに笑っていました。
ギターを持っての2曲目は"It's All Over Now, Baby Blue"!
今回、東京で1度しか演奏されていなかった曲だけに、これも観客の反応が凄い。
勿論私も大歓声で応えました。"It's All Over Now, Baby Blue"の部分を一緒に(小声で)歌った時、センター・ステージのボブが、明らかにこっちを笑顔で見ていて。「多分、近くの女性を見てるんだろう」と思いきや、完全に私を見ていた時は、嬉しかった。
泣いても笑っても今日が最後。日本のファンは熱いんだ、というところを見せんばかりの今日の前方オーディエンスは、素晴らしかったと思います(全員が全員、ノリまくって楽しんでいました!)
しかし、最初の絶頂は"Most Likely You Go Your Way"!
あのイントロが流れた瞬間、後ろから前列への圧迫もさらにキツくなって(笑)、そんな中、腕をリズムに合わせて振り上げる客達に、ボブも嬉しい驚きを感じたようで、ここでも笑っていました。
今日は、とにかく怒涛のような時間で、何しろ、ボブの様子をずっと追いかけていたので、曲の出来がどうだったというのは正直判断できない。それぐらい濃密で、あまりにも最高な瞬間の連続でした。

"My Wife's Home Town"は初登場!これはもうブルーズとしか言いようのない極上のブルーズ。
チャーリーは、ギターのコード(線)を気にしつつも、頭でリズムを取り、ボブのヴォーカルを盛り上げる。
トニー・ガーイエも、今日は最初からご機嫌の表情で演奏。
曲自体は、"Little Red Looster"みたいな感じなので、音の太さがダイレクトに伝わってきました。

"I Don't Believe You"はボブがセンターステージに行くのが遅れて、出だしを若干歌いそびれるというハプニングがあるものの、そんなのお構いなしに楽しげに、振りつきで歌うボブ。
少し上目で歌ってみたり、フランク・シナトラみたいな動きをしてみたり、しゃがみ込んでブルーズハープを吹いたりと見る方を飽きさせません。
曲間などキーボードとセンターステージを移動する時も、ヒョコヒョコと移動する姿は、かつてインタビューで尊敬する人物に挙げていたチャーリー・チャップリンのようでした。
思わずこちらも曲が終わった後は、"We believe you"と叫びました。

キーボードに戻っての"Spirit On The Water"。ウァームフルな1曲であり、テンポの良い1曲でもあるので、ここは手拍子が多かった。
満足気な表情のボブ。今日は笑っていない瞬間は無い、と言っても良いぐらいに笑顔でした。
続く"Cold Irons Bound"は、観客側にも照明が。
なんといっても、ノリやすい曲、そして腕を振り上げやすい曲だけに、ここでも観客の熱狂が爆発。
"Cold Irons Bound~~"と歌う部分では、"Wooo~~~~~"!!!"という声がこだましていました。

この声は次の曲で更に大きく。"Desolation Row"が再登場!
この曲で一番印象的だったのは、後半のボブのヴォーカル+キーボードの交互演奏の時。
ボブが1語ずつ区切って歌いた後に、キーボードでコードを弾くというスタイルなのですが、それに合わせて腕を振っていたら、こっちを見たボブが、わざとそのタイミングをズラす(笑)。
"あっ!"という顔をしたら、ボブが歯を見せて笑っていました。その後、同じフレーズをボブが繰り返すので、今度は合わせて腕を振ったら、軽く頷きニヤリ。これも嬉しかった(笑)

"The Levee's Gonna Break"は、今日がベスト。ヴォーカル⇒間奏⇒間奏のブレークといったポイントで大声援が起こっており、ここでもボブはドニーに笑いかけていました。
途中、ボブがブルーズハープを吹こうとするも思わず笑いそうになり、キーボードを引き続き演奏する、という場面も有り。

"When The Deal Goes Down"は25日以来の登場!
"Modern Times"からも結局、殆どの曲が演奏されたんじゃないでしょうか。
そういえば、さっきチャップリンの話を書きましたが、彼にも"Modern Times"という名作がありました。
ハットを被る姿もどことなく、似ているかも。

この後の"Highway 61 Revisited"を聴いた時は、もうそんなに進んでいるのか?と思いましたが、ここもノリノリに!
"Highway 61~~~~!!"の部分は、前方客はかなりの人が腕を振り上げていました。
ちなみに、一番後方からの圧迫が強かったのもこの曲で、肋骨折れそうになった(笑)
続く"Can't Wait"は、ボブのセンターステージでのポージングを見ながら、「あぁ、あと数曲なんだ」と若干しんみりとした気持ちも。
"Thunder On The Mountain"も今日で聞き納めかと思うと、自然と頭を振ってしまいました。
そして照明が暗くなり、いつも通り"Ballad Of Thin Man"が始まる……と思いきや始まらない。
スローでアコースティックな旋律が流れ……え?まさか!"Forever Young"だ!!
"May God bless and keep you always"という歌詞をボブが歌った瞬間、会場が揺れました(確実に前方は揺れていました)
ボブと顔を合わせながら、一緒に"May you stay forever young"と言った瞬間は、忘れられません。
初登場の"Forever Young"にボブ・ファン誰もが感動したと思います。
アレンジは2001年の時とそれほど変わっておらず、しかしよりバンドっぽく、太い音になっていました。
ボブだけでなく、ドニーもスチュも、ジョージも良い顔してました。

そして終わるとすぐにメンバーは引っ込み、アンコールへ。
さぁ、遂に今来日公演最後の"Like A Rolling Stone"!!
もうこれは大合唱でした。ボブは、今日も"Miss Lonely"を"L~~~~onely"と引き伸ばして歌いニヤッと(笑)
今日は昨日のような歌い間違いもなく、スムーズに終わりましたが、"Forever Young"、"Like A Rolling Stone"とマスターピース2曲が続き、大歓声は尽きることなく、"Jolene"へ。
2001年の"If Dogs Run Free"といい、今回の"Jolene"といい、ボブの選曲の良さには感嘆します。
"Like A Rolling Stone"の熱狂をクールダウンさせ、しかしノリは持続できる佳曲だな、と改めて実感(実際は、そんなことを考える間もないぐらいにノリまくってました(笑))

"Jolene"が終わり、"Thank you friends"とメンバー紹介へ。
もうこれは、ボブがバンドメンバー名を呼ぶ度に、メンバー名をコールし、拍手しました。
ジョージの時に、ボブが一言二言笑いながら喋っていて。どうやらネットなどで見たところ"George wants to say "Ikimasyo""
と言っていたらしいです。ボブが日本語を喋ったのは、86年の来日時に"ドウモ〜"と言って以来ではないでしょうか!

そして"Blowin' In The Wind"……ではなく、今日は"All Along The Watchtower"!
凄い!轟音にもう、頭振り乱しました。もしかしたら、ボブも観客の熱狂振りを見て、やろうと思ったんじゃないでしょうか。
今ツアー最高の"All Along The Watchtower"と言っても良い、凄いテンションの高さの演奏!
そして、横一列に並ぶメンバー。
ずっと歓声を送っていたからか、左側前方に、かなりボブが視線をやっていて嬉しかった。
そしてボブと目が合った瞬間、"Thank you, Bob! May you stay forever young and please sing forever!"と叫びました。
勿論、"Forever Young"の一節であり、前回の来日公演時に送った自作曲"Song to Dylan"の歌詞の一節です。
ボブがその声に、ピクッと反応してくれたので、続けてこう言いました。
"Someday, please come to Japan again!" するとボブが頷いたので、感極まってしまいました。

メンバーが立ち去ってからも、歓声は止みません。いつもなら明るくなるはずの照明も明るくならない。まさか?いや、ボブはそういうことはないだろう……。
いや、人影が!スチュ!チャーリー!ジョージ!トニー!そしてドニーが戻ってきて、ボブが戻ってきた!
"Woo~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!"この時の大歓声はこの日で最大のものでした。

なんと2nd アンコール!ボブがです!いつもはあっさりと終わるボブが、2nd アンコールをやった!
"Blowin' In The Wind"はもう大泣きでした。
泣きながら、でも笑顔で手を振る観客たち(周りの人も結構泣いてた)に、それこそ「くよくよするなよ」とばかりに笑顔にチャーミングにボブは歌っていました。

最後の"The answer is blowin’ in the wind."を歌い終わり、今回のボブの日本での演奏が全て終了。

再び整列するボブに、もう1度呼びかけました。
"Bobby! Bobby!! Thank you for being here!! Someday, please come to Japan again!"
するとまたボブが頷いた!絶対にボブはまた来日してくれる!そう確信しました。

今日が最後、という気持ちでいたのは多分みんな一緒。
なので、持てる全てを出して応援したというか、ノリまくりました。
最後の2nd アンコールは、ボブからノリまくった観客への贈り物だったのだと思います。

個人的には、ボブとこれだけ目が合うとは思わなかったし、一番最後の呼びかけに頷いてくれたことに大満足。
ちなみに、東京初日に責任者っぽい係員さんに渡したファンレターは届いたかどうか分かりませんが、多分届いていると信じましょう(笑)
その係員によると、受け付けたファンレターなどはメンバーがステージに出た直後、楽屋に届けるそうです。
まぁ、2日目以降も楽屋は同じだと思うので、目には入ったんじゃないでしょうか(笑)

あらゆる意味で、今回のステージは素晴らしかった。もう1度、来日してくれる時を心待ちにしながら、今はボブに感謝です。


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