Mr.Win's Room

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Bob Dylan

 

Zepp Osaka 2010年3月15日

-setlist-
1. Watching The River Flow (Bob on keyboard, Donnie on lap steel)
2. Senor (Tales Of Yankee Power)
(Bob center stage on harp, Donnie on lap steel)
3. I'll Be Your Baby Tonight
(Bob on guitar, Donnie on pedal steel, Stu on acoustic guitar)
4. High Water (For Charley Patton)
(Bob center stage on harp, Donnie on banjo, Tony on standup bass)
5. The Levee's Gonna Break
(Bob on keyboard, Donnie on electric mandolin, Tony on standup bass)
6. Tryin' To Get To Heaven (Bob on keyboard and harp, Donnie on pedal steel)
7. Cold Irons Bound (Bob center stage on harp, Donnie on lap steel)
8. Desolation Row
(Bob on keyboard, Donnie on electric mandolin, Stu on acoustic guitar, Tony on standup bass
9. Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again
(Bob center stage on harp, Donnie on pedal steel)
10. Man In The Long Black Coat (Bob on guitar, Donnie on lap steel)
11. Highway 61 Revisited (Bob on keyboard, Donnie on lap steel)
12. Spirit On The Water (Bob on keyboard and harp, Donnie on pedal steel)
13. Thunder On The Mountain
(Bob on keyboard and harp, Donnie on lap steel, Stu on acoustic guitar)
14. Ballad Of A Thin Man (Bob center stage on harp, Donnie on lap steel)

(encore)
15. Like A Rolling Stone (Bob on keyboard, Donnie on pedal steel)
16. Jolene (Bob on keyboard, Donnie on lap steel, Tony on standup bass)
17. All Along The Watchtower (Bob on keyboard, Donnie on lap steel)

【感想】
週が明けて大阪4日目!なんとまたしてもベスト・アクトと言っても過言ではないステージ!
今回の観覧場所は、段差がある最善列中央・若干キーボード側。

客電が消えてメンバー登場。
1曲目は初日以来の登場となる"Watching The River Flow"。今日のボブは白いハットを被っています。
"Watching the river flow"という歌詞が聴こえると、観客からは歓声が。
間奏のソロは、チャーリーが先導して同じフレーズを何度も繰り返し。その後、そのメロディーをディランのキーボードが弾いて、またチャーリーがのっかるという展開があり。

そしてボブがブルーズハープをもってセンターステージへ。ライトに照らし出されたボブの第一声は"セニョ〜ル♪"
おおー!初登場!"Street Legal"からです!
昨日の2曲目は"The Man In Me"だったし、どうやら70年代の曲も色々と演ってくれそうです!
ここはみんなじっくりと聴き入っていた感じ。

3曲目は、土曜日から2公演続けてとなる"I'll Be Your Baby Tonight"!
今日も出だしは"Shut your eyes, Shut the door."と歌っており、他の部分はオリジナル通りの歌詞でした。
"I’ll be your baby tonight."のところは、"I'll be.....I'll be your baby tonight."と歌っておりボブらしさ満載。
ボブはエレクトリックギターで若干ソロも弾きましたが、あっさりと終わった印象。

4曲目は、これも初日以来の"High Water"。
ボブはセンターステージのままブルーズハープを手に歌います。
"Like balloons made out of lead"の"balloons"とか母音を引き伸ばす歌詞は気持ち良さそうに強調していました。
結構早口な部分もあるんですが、ちゃんと歌えていて、初日同様にドニーのバンジョーとブルーズハープで絡んでいました。

ここからが個人的な今日のハイライト!
まず5曲目は"The Levee's Gonna Break"。初日、2日目以来で、4回中3回演奏されていることになります。
今日はボブのヴォーカルの調子がエラくいい!("I'll be your baby tonight"辺りから感じていた)
しかも腕の調子も良いのか、後半は数分間に渡って、キーボード演奏!キーボードの音色も、ギター・ソロと同様、ボブのものだと分かる個性が出ていて凄い!

2曲連続でテンションの高い曲だったこともあり、ここでひとまずスローダウン。
"The air is getting hotter..."!!!この歌詞は"Tryin' To Get To Heaven"!!今回やっと登場です!
この曲は2001年の時のアレンジが神がかっていましたが、今回もキーボードの音が温かみを与えていて良い味出してます。
思えば"Time out of mind"がリリースされた97年。5月にボブが心臓発作で倒れ、「もうすぐエルヴィスに会うのかと本気で思った」なんて言っていましたが、それから10年以上経った今、元気に演奏してくれている。最高です。

この次が、緊張感みなぎる"Cold Irons Bound"!これはもう今回のツアーの目玉の1つと言っても過言ではないでしょう。
大歓声でした。

次がドラム、そしてアコースティック・リズムギターがリードして、"They’re selling postcards of the hanging"
Wooo~~~~~~!!!"Desolation Row"が登場!!思わず泣いてしまいました。
今回の"Desolation Row"は、キーボードが美しい。あとリズムギターは、普通のストロークですが、ダウンよりもアップの方が強調されていてそれがまた気持ち良かった。
間奏では、ボブのキーボードを他の楽器がすべて追っかけていて、その掛け合いも美しい。
間奏明けから、ボブはヴォーカルを単語の1語1語を、わざとらしく強調して歌ってみたり、そうかと思えば流れるように歌ってみたり。
変化自在のボブ。2001年は、"ディソレイショ〜〜〜〜ン〜〜ロ〜〜〜〜〜〜〜ウ!"と引き伸ばしていた部分は、あっさり気味でした。
間違いなく、この曲は今日のベストシーン!

しかし驚くのはまだ早かった!アコースティックギターのストロークから、ボブがセンターに移動して始まったのは"Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again"!
土曜日に1曲目だったこの曲が、中盤で登場!しかもボブは今回はキーボードを弾いていないが……歌うボブの代わりにボブの手にはブルーズハープが!

Oh, プヒ〜♪ Mama, プヒ〜♪ can thisプヒ〜 really be the end プヒ〜♪
To be stuck inside of Mobile プヒ〜♪
With the Memphis blues again プヒ〜♪

凄い〜〜!!!!なんとボブ、1フレーズ歌うごとにブルーズハープ演奏を挟み込むという達人芸を披露!
拍手に気をよくしたのか、その後、この曲ではずーっと同じ歌い方をしていたのが微笑ましい(笑)
う〜ん、今日のベストシーンはこれか!!

お、ボブがセンターで手にギターを持った。
コオロギの鳴き声でも聞こえてきそうな暗いステージに照明があたって……、このイントロは!間違いない"Man In The Long Black Coat"!!"Oh Mercy"大好きな私はここで燃えまくりました。前回来日時、この曲は聴けなかったので、大感動。
ゆったりと余裕すら感じさせるテンポで演奏された今回のアレンジ。シンプルなコードにのっかるギター・ソロが非常に映えます。
今日のベストシーンは……もう全部!沢山あって選びきれん。

次は定番"Highway 61"!
始まった時、「あれ?もう"Highway 61"なの!?」と思うぐらいに、10曲目までは濃密でした。
ここまでの3公演と同じくお祭り騒ぎで盛り上がる"Highway 61"の次が"Spirit On The Water"。
この曲も、温かみのあるキーボードが感動的で、私はまた泣いてしまいました。
おかしいな。そんなに涙腺弱い方じゃないはずなんですが。ボブの前では、涙腺弱いのかもしれません(笑)

"Thunder On The Mountain"以降はもうお馴染みの固定曲でしたが、"Jolene"の後、メンバー紹介のところでハプニングが。
観客席からステージ上のステュを伝って、ボブに1本のギターが手渡されました。
ボブが「これは何?誰の?誰かがステュにギターをくれたの?それともステュ、君のギター?」と聞きます。
ギターにはノートがはさんであって、「開ければいいのかな?」
その後、キーボードの上に置かれたそのギターは、チャーリーがスタッフに渡して奥へ。
ボブはその後、「俺が使うか」と言っていました。

実はこれ、中古楽器店のオーナーをやっているファンとその仲間の人が、ステージ上のボブに渡したいと持ってきていたものだそうです。
上手く成功してよかったですね。
全曲終わり、最後に横一列に並んだところで、ボブがステュからファンから渡されたことを説明していたようで、ボブも頷いていました。

さぁ、大阪はあと1公演!明日も忘れられない夜になることを期待しましょう!

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