Mr.Win's Room

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Bob Dylan

 

Zepp Osaka 2010年3月12日

-setlist-
1. Leopard-Skin Pill-Box Hat (Bob on keyboard, Donnie on pedal steel)
2. Lay, Lady, Lay
(Bob center stage on harp, Donnie on pedal steel, Stu on acoustic guitar)
3. Beyond Here Lies Nothin' (Bob on keyboard, Donnie on trumpet)
4. Don't Think Twice, It's All Right
(Bob on guitar, Donnie on lap steel, Stu on acoustic guitar, Tony on standup bass)
5. The Levee's Gonna Break
(Bob on keyboard, Donnie on electric mandolin, Tony on standup bass)
6. Just Like A Woman
(Bob on keyboard and harp, Donnie on pedal steel, Stu on acoustic guitar)
7. Tweedle Dee & Tweedle Dum
(Bob on keyboard then center stage on harp, Donnie on pedal steel)
8. Make You Feel My Love (Bob on keyboard and harp)
9. Honest With Me (Bob on keyboard, Donnie on lap steel)
10. Po' Boy (Bob on keyboard and harp)
11. Highway 61 Revisited (Bob on keyboard, Donnie on lap steel)
12. I Feel A Change Comin' On (Bob on keyboard, Donnie on lap steel)
13. Thunder On The Mountain
(Bob on keyboard, Donnie on lap steel, Stu on acoustic guitar)
14. Ballad Of A Thin Man (Bob on center stage on harp, Donnie on lap steel)

(encore)
15. Like A Rolling Stone (Bob on keyboard, Donnie on pedal steel)
16. Jolene (Bob on keyboard, Donnie on lap steel, Tony on standup bass)
17. All Along The Watchtower (Bob on keyboard, Donnie on lap steel)

【感想】
大阪2日目!やはり19時20分頃スタートしたライヴですが。
今日のボブは、多分シャツの色が変わっていたはず(たしかオレンジ)上着とハットは黒のままでした。
整理番号は500番台だったのですが、意外と昨日(200番台)と同じぐらいの位置に行けました。
昨日と同様のイントロダクションで、同じようにステージ右側のカーテンから出てきたメンバー。
おもむろにキーボードの前に行くボブ。
しかしキーボードでキーを確認して飛び出た1曲目は"Leopard-Skin Pill-Box Hat"!
前回は本編の締めとして演奏されていた曲です。ブルージーなコード進行を淡々と笑顔で弾くボブ。
そして、それにのって奏でられるチャーリーのソロ・ギターは、今回のもう1つの主役と言えます。
ボブも、意図的にチャーリーのギターを前面に出している感があります。

そして2曲目は聴き覚えのあるペダル・スチールのイントロが!おお!"Lay, Lady, Lay"だ!!
ボブはブルーズハープ片手にセンターの方に歩いていき、ヴォーカルとブルーズハープを交互に繰り出すという、これまで聴いたことがないパターン。
演奏自体は、オリジナルに近いので、まさに今のボブのヴォーカルによる"Lay, Lady, Lay"というのがピッタリでした。

3曲目は"Beyond Here Lies Nothin'"!スタジオ最新作"Together Through Life"の1曲目です。
エスニックなムード。この曲はドラムが決め手ですね。イントロや後半で、ディランのキーボードがグリッサンド(ジョン・レノンがシェアスタジアムの"I'm down"で肘でやっていたやつです)していて格好良かった。

4曲目は、これも何度となく聴いたアコースティック・ギターの音色。"Don't think twice, It's All right"が今回初お目見えです。
イントロだけ聴いた時点では、「"Don't think〜"と見せかけて"Mama, you have been on my mind"ってなことはないか?」とかひねくれたことを思ったんですが、そんなことはなかったです(笑)
ボブはエレクトリック・ギターでソロ演奏。いかにもディランってなヘタウマ演奏でしたが、できればアコースティック・ギター・ソロも聴きたいな〜。

5曲目は昨日から引き続き登場の"The Levee's Gonna Break"。
"Don't think"もバラードながらテンポ良い演奏だったこともあり、この曲の勢いでさらに盛り上がりを加速させた感有り!

観客席からは、"Thank you for comin' back! Bob"という声もとどろく中、6曲目は、オオー!!"Just Like A Woman"だ!
前回も美しいアコースティック演奏でしたが、今回はキーボードが非常に効いている演奏でした。ドニーのペダル・スチールも美しい。
"Everybody knows〜"のあたりから、コードだけ弾いていたボブの演奏が若干変化。リフを繰り返す感じの演奏に。
ちなみにチャーリーは、他の曲の時も含め、ボブの方を見ながら、時にしゃがみ、時にギターを胸元に抱きよせ、昨日同様の活躍を見せてくれます。後半、ボブのブルーズハープが飛び出し、観客も大喜び。
エンディングで、吹いていたブルーズハープをステージ右側の奥に放り投げるという格好良いパフォーマンスまで見せてくれました。
この時は、前回の浜松公演の"My Back Pages"(ブルーズハープの音が出ず、途中で後ろにブルーズハープを投げ捨て、新しいものに交換して気合のこもった演奏を見せてくれた)を思い出しました。

そしてキーを確認するボブのキーボードが鳴り響き、ズンッ!チャッ!と小気味よいドラミング!おお!!続くのは"Tweedle Dee & Tweedle Dum"!
"Love and Theft"の中でも特に好きな曲!同アルバムのコマーシャルで、トランプゲームに興じるボブ達のバックでかかっていたのも格好良かったので、聴けてメッチャ嬉しいです。
もっとドラムの手数が多い(混沌とした感じ)でも良かったと思うのですが、非常にコンパクトでシンプルな演奏。ドラマーのジョージ・レシールは、結構パワーで圧すタイプだと思いました。
途中、ボブの声が裏返り気味になるほどの熱唱。この曲は、キーボードがそこまで変化がないので、その分、ヴォーカルに力が入るんでしょうか。
後半、ブルーズハープ、エレクトリック・ギターが絡み合い、ブルーズハープ・ソロになる辺りは聴きどころでした。

"Don't think〜"からここまでの流れはまさにハイライトに相応しいです。

さて、ここでスロー・ダウン。"Time out of mind"から"Make You Feel My Love"です。
ボブのヴォーカルは、"Tweedle Dee & Tweedle Dum"の勢いのまま張りがあり、笑顔も一層の笑顔に。

暖かい気分になったところで、またテンポを上げていくぞ!と言わんばかりに次は"Love and Theft"から"Honest With Me"。
これも昨日は演っていない曲だ!
スピードにのせて貯めに貯め、21世紀型"Stuck inside of mobile with the Memphis blues again"といった風情も感じられるオチ部分につなげる今日のアレンジ、格好良い!

この次が、これも"Love and Theft"から"Po Boy"!
個人的には、これも白眉。今回のライヴアレンジは、スタジオ盤より良い!
説明しづらいですが、メロディーの良さが非常に前面に出ていました。
ここまで90年代後半以降の作品が結構演奏されており、まさに「90年代後半に入って突如ギアチェンジしたかのごとく、傑作を発表する男、ボブ・ディラン」といった具合です。

そしてお次は、60年代を疾走していた時代の名曲。おそらく、今回の日本公演では定番の1つ"Highway61"!
さぁ、一緒に駆けぬけようぜ!とばかりに、笑顔で"Highway61〜"とキメるボブ!
こっちのテンションも上げ上げ!です。観客のおしくら饅頭状態も、一層激しくなった気がするのは気のせい?(笑)
足のクネクネに続く、キーボーディスト・ボブお気に入りの、キーボードに倒れこむように体を曲げる、前後体操も昨日より多めに曲がっております。(ついでにそれを見つつ、ドニーももっと大げさに曲がっとります)
こんなパフォーマンスを笑顔でやってくれりゃ、観てるこっちもゴキゲンになること間違いなしです。

そして続くのは、"Together through life"より"I Feel A Change Comin' On"。現在進行形ボブのスロー・ナンバーです。
しかし、ヴォーカルはまさにボブ節。

この後は、昨日と同じ定番ナンバーが続きます。
"Thunder On The Mountain"、"Ballad Of A Thin Man"で本編が終わり、アンコールではLike A Rolling Stone"、"Jolene"、"All Along The Watchtower"。
"All Along The Watchtower"は、今日の方が単語を区切った感じの歌い方だった印象。
全般通じて、今日は声がかなり出ていて、ボブの勢いを感じました。

すべて終わったのが20時58分頃。今日もおよそ2時間の熱演は素晴らしいものでした!
さぁ、明日は3日目!まだまだ大阪公演が続きます!

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