Mr.Win's Room

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Carole King



50 Years in the USA KIKKOMAN presents "3 Great American Voices"
大阪城ホール 2007年11月5日、6日

-setlist-(5日)
1, Beautiful
2, Welcome to my living room
3, Up on the roof
4, Where you lead, I will follow
5, So far away
6, Smackwater Jack
7, Will you love me tomorrow
8, Love makes the world
9, Sweet Seasons
10, You've got a friend
11, I feel the earth move

(encore with Mary J. Blige & Fergie)
12, Dancing in the street
13, (You make me feel like) A natural woman

-setlist-(6日)
1. Home again
2. Welcome to my living room
3. Now and Forever
4. Where you lead, I will follow
5. So far away
6. Smackwater Jack
7. Up on the roof
8. Love makes the world
9. Sweet seasons
10. You've got a friend
11. I feel The earth move

(encore with Mary J. Blige & Fergie)
12. Dancing in the street
13. (You make me feel like) A natural woman


【感想】
キャロル・キングは、"生で観ていないけど好きなアーティスト"の1人でした。なので来日を知った時は嬉しかったです。
ただ、さすがにメアリー・J・ブライジやファーギーとの抱き合わせで来るとは予想もできませんでした(笑)
なんでも今回のイベントの名目は、キッコーマンのアメリカ進出50周年記念というもので。
創業記念ではなく、アメリカ進出記念というところがなんとも微妙というか。どれだけおめでたい内容なのかよく分からないですが、キャロルを呼んでくれたことには素直に有難うと言いたいです。
ただ、キャロル・キング・ファンとファーギー・ファン(そしてメアリー・J・ブライジ・ファン)は明らかに被らないと思われ、何をどう間違ってこの人選になったんだろうという点は不思議でしょうがない。考えられるのは、色んな客層にアピールしたかったということでしょうか。
もっとも、個人的には普段聞かないタイプのアーティストに触れられるという意味で、こういう人選は嫌いじゃない。

というわけで、まず初日。
核から言ってキャロルの登場は最後だろうと思いつつ、会場が暗転。
まずはファーギー辺りかな?と思いつつ、照らされたステージを見ると……!
なんとそこにはキャロル・キングの姿が!おいおい、キャロル・キングがトップ・バッターかよ!!と、まずはそこで驚きました。
客席から観て、ステージ左側のピアノの近くで笑顔で立っていたキャロルは、おもむろにピアノ前の椅子に座り1曲目は"Beautiful"。
キャロル1人での弾き語りです。
この後、"ワタシのリビングルームへようこそ"と日本語で喋りつつ、"Welcome to my living room"。
「キャロルのリヴィング・ルームでのホームパーティーに招かれた気分で楽しむ」というのがここ最近のキャロルのツアー・コンセプトのようです。
そして3曲目は"Up on the roof"!!
個人的に、彼女の曲の中では最も好きな曲なので、これは感動しました。
元々はドリフターズ(アメリカのグループですよ)に提供し、キャロル自身はシンガー・ソングライター時代の幕開けとなるアルバム"Writer"でセルフ・カヴァー。そしてローラ・ニーロもカヴァーしている名曲です。
ギター2人も登場し、3ピースでの演奏。キャロルの声は若干枯れる部分もありましたが、十分に出ていました。

そして続く"Where you lead"の後は"So far away"!!
これは"Tapestry"リリース後のカーネギー・ホールでのコンサートで、"I feel the earth move"に続き、キャロルが弾き語ったやつが大好きで。
目を閉じれば40年近く昔にタイムスリップできるかのような演奏でした。ということは、キャロルが今でも若い証拠!

この後、ステージ中央に出てきてギターを抱えたキャロル。
「次はイーグルスの曲よ」とか「(ピアノの前から出てきたから)私の足が見えるわね。半そでで腕も(笑)」なんて言いつつゴキゲンな"Smackwater Jack"を聴かせてくれました。

さて私は、キャロルについてはライトな聴き方しかしておらず、代表的な曲しか知りませんが、この後も"Will you love me tomorrow"、"Love makes the world"、"You've got a friend"、そして"I feel the earth move"など本編でも代表曲がズラリ。
これだけヒット曲があるというのが凄い。さすがブリル・ビルディング時代にジェリー・ゴフィンと一緒に沢山のヒット曲を量産し、"Tapestry"でシンガー・ソングライター・ブームの火を付けただけあります。
"Will you love me tomorrow"の前に「シレルズが歌った曲」という紹介、それにLlove makes the world"の前に、「愛だけが世界を回しています」という日本語MCなど。そして"I feel the earth move"の前には"Are you ready to ROCK??"と煽っていました。
"I feel the earth move"は一緒に歌わせようとしていたのですが、いかんせん、観客の反応が悪い。
それでも笑顔でノリノリのキャロルは、素晴らしいロックを見せてくれました。

この後、ファーギー、メアリー・J・ブライジ
と出番があり、全員揃ってのアンコールでは、"Dancing in the street"、そしてキャロルの"Natural Woman"が。"Natural Woman"では合唱できている人が多かったです。
そういえば、キャロルはこのアンコール時に、若い2人に負けるもんか!とばかりに声をかなりはって、前に出ていたのには笑いました。見事の一言です。

2日目は、"Now & Forever"が登場したりセットリストの順番などに若干違いがあったもののMCやアレンジは初日と同様。
初日よりも聴き入ることに専念しました。

2日間を通じて思ったのは、キャロルの曲は日本でも完全に浸透しているんだな、ということ。その証拠に、"So far away"や"You've got a friend"では会場全体から歓声が上がっていました。
音楽が好きな人なら"Tapestry"には嫌でも出会うだろうし、そうでない人もCMや映画など、どこかで耳にする機会はある。勿論、沢山のアーティストがカヴァーしているので、そこから出会う人もいると思います。
そういう(日本でも)誰もが知っている存在というと、匹敵するのはビートルズぐらいしか思いつきません(あとはカーペンターズかな)
何しろ、ビートルズのメンバー自体がキャロルの大ファンですから。

それと、物凄くサービス精神が旺盛というか、観客とコミュニケーションを取ろうとする人でした。
それこそキャロルぐらいの大御所なら、淡々と演奏してるだけでも拍手喝采だと思いますが、ちゃんとショーとして演出したり、日本語MCを積極的にやったりというところにも魅力を感じました。

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