the tambourines (ゲスト:大野愛果、竹井詩織里) hillsパン工場 2004年5月20日(木) -setlist- the tambourines 1, Carnival (the cardigans) 2, Direction Still Unknown (Cloudberry Jam) 3, Torn 4, Wonder Boy(the tambourines) 5, Always You (Sophie Zelmani) 6, Twice As Cool (Cloudberry Jam) with 竹井詩織里 竹井詩織里 7, Hippies In The 60's (Maja) 8, 優しい陽射し (竹井詩織里) 9, 君に恋してる (竹井詩織里) the tambourines 10, afresh wish (the tambourines) 11, A Good Horse (the cardigans) with 大野愛果 12, Secret Of Garden (大野愛果) 13, Heaven's Kitchen (Bonnie Pink) 14, never recover 15, Your New Cuckoo (the cardigans) 16, Hijack brand new days(大野愛果) 17, Easy Game(大野愛果) encore 18, All About The Money (Maja) All 【感想(2024年に加筆修正)】 大野愛果さんは、倉木麻衣、ZARD、愛内里菜などBeing系アーティストへの楽曲提供で知られている作曲家。 "This is your life"や"Reach for the sky"といった倉木麻衣のヒット曲をきっかけに知り、それら提供曲を歌ったセルフカヴァー・アルバムも素晴らしかったので、当時特に好きだったアーティストの1人です。 大野さんが所属しているGIZA studio(現B ZONE、旧Beingのグループ会社)は、自社ビルでhillsパン工場というライヴハウスを運営し、毎週木曜日に"Thursday Live"という自社アーティストのライヴをやっていました。 これに大野さんも定期出演していたので、就職で関西に引っ越してから複数回、足を運んでいました。 大野さんが出演したライヴは、合計4〜5回観に行ったのですが、その中でも特に印象に残っているのがthe tambourinesが出演したこの日のライヴです。 tambourinesがカーディガンズの"A Good Horse"を演奏した後、緊張しながら登場。 元々人前は得意ではなかったようで、少し後ずさり。声を上ずらせながらも 「今日は、"Swedish Night"ということで、「Secret Of Garden日和」かな〜と思いまして、知らない人多いかと思いますけど、私の曲です。知っている人は"ナナナ〜"の部分を一緒に歌って下さい」 と仰って"Secret Garden"が歌われました。 この曲、世間では殆ど知られていないと思うのですが、個人的には一番好きな大野作品で、今でも聴いている曲です。 2作目のセルフカヴァー・アルバムで表題曲にもなっているので、本人的にも愛着のある曲ではないかな、と思います。(そしてこの本人verが一番素晴らしい!) それが小さなライヴハウスで目の前で聴けて物凄い感動でした。 2004年に観たライヴでは、この日と武道館のDavid Bowieが同じぐらいの熱量・感動で今でも覚えています。 続いて、ボニー・ピンクの"Heaven's Kitchen"。 tambourinesは、邦楽アーティストのカヴァーは初めてだとか。 この後、次の曲に行くまで沈黙が流れたので、思わず私が「大野さん、なんか喋って」と客席から言ったら、大野さんが「勘弁して下さい・・」と応えてくれ、その雰囲気がまた面白く、笑い声が。 tambourinesの松永さんに、"大野さん、リハの時は滅茶苦茶喋ってましたよね……"と突っ込まれ客席はまた笑い。 そして、"Your New Cuckoo"が歌われた後、今度は、 「次は、大野さんが作曲してくれた曲なんですけれども、"Hijack brand new days"です!」 さらに、この後"Easy Game"も飛び出し、大野作品が3曲も演奏されました。 いずれもセルフ・カヴァーverに忠実なアレンジで、大野さんの声も上々の出来。この3曲(しかも他ではまず聴くことができないであろう渋い曲ばかり)が聴けたのは今でも大事な思い出です。 そんなわけで高かった大野熱でしたが、2004年〜2005年辺りから発表される楽曲のクオリティが(あくまで私の印象ですが)極端に下がり、急速に離れてしまったのを覚えています。 改めて振り返ると、当時の大野さんは、GIZAのアーティストのみならずZARD、果ては森進一にまで曲提供をしていました。 レーベルお抱えの作曲家である以上、会社が要求すればそれに応えなければならない。でもそれだけの量をこなせば当然1つ1つにかけられる時間もない。 またそもそも、作曲という行為自体、時間をかければ良いというものでもない。 そんなわけで、あれだけ潤沢なメロディーの泉を持ち、次々と良い曲を生み出していた大野さんが、枯渇するのを見るようで悲しく、またやっつけ仕事のように思え腹立たしかったのも覚えています。 ただ2003年頃までの一連の曲は、改めて聴き返してやっぱり素晴らしい。 特に"Secret Garden"は永遠の名曲です。 |
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