Mr.Win's Room

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Lou Reed

 

"ECSTASY" TOUR 2000
渋谷公会堂 2000年10月26日(木) 6時30分開場 7時開演

-setlist-
1. Paranoia Key Of E
2. Turn To Me
3. Modern Dance
4. Ecstacy
5. Small Town
6. Future Farmers Of America
7. Turning Time Around
8. Romeo Had Juliette
9. White Prism
10. Rock Minuet
11. Mystic Child
12. Tatters
13. Set The Twilight Reeling

(encore)
14. Sweet Jane
15. Vicious - Waiting For The Man - Vicious
16. PerfectDay


【感想】
ルー・リードを見てきました!!
エクスタシーの曲はほぼ、全部やるわ、NYからもやるわ最高でした!!
今回はシンプルな4人編成。タイトでストレートなロックを聴かせてくれました。
MCも無く、淡々と演奏するルーは非常にクール。
一番嬉しかったのはアンコール1曲目の"Sweet Jane"!
これは間違いなく、最強のロックンロール・ナンバーです。
その後、"Vicious"と"I'm Waiting For My Man"のメドレーも聴けました!
年齢層が高めだったので全員総立ちとはいかなかったけど、かなりの人が立ってました。
そしてアンコール終了……と思いきや、"One more song?"と最後にプレゼントしてくれたのは"Perfect Day"!
しっとりとまとめて終演。
"Wildside"も"Heroin"も演らなかったけど大満足!まさに文字通り"Perfect Day"でした。


上述の文章は、ライヴから帰った直後に、手当たり次第に(笑)友人に送ったメールの一部です。
!マークが多いことからもハイテンションなのが分かります(笑)
クールなルーでハイになる……。まさにそういうライヴでした。

当日は、少し風の吹く涼しい夜。私が渋谷公会堂についたのは会場の30分前頃でしたが、すでに大勢の客が外で並んでいました。
年代もオールド・ファンから若いファンまで様々。ルーそしてヴェルヴェッツの音楽が何世代にも渡って影響を与えていることを感じさせます。

席は2階の14列目49番。客席から見て多少ステージ右側ですが、よく見える位置です。
ライヴ開始までは暇だったので、横席に座っていたデヴィッド・ボウイ好きのお兄さんと演奏曲目の予想などをしてました。
私が聴きたい曲は何よりも"Sweet Jane"。次に"Heroin"、"Walk on the wild side"、"Perfect Day"、"Small Town"あたり。
本当は"Femme Fatale"や"All Tomorrow's Parties"といったNicoが歌っていた曲も聴きたいのですが、これは今ツアーでやるハズが無いので除外。

さて、7時を過ぎた頃、会場が暗転し、静かにメンバーが登場。そして、Ecstacyの1曲目"Paranoia Key Of E"が。
メンバーは
ギター・・・Mike Rathke
ベース・・・Fernando Saunders
ドラム・・・Tony "Thunder" Smith
そしてLou Reedです。
途中で泣き真似(パラノイアの真似)まで入る熱演に観客も序盤から興奮。
ルーはほとんど動かないで黙々とギターを弾きながら歌っていました。

ツアー名でもある新作"Ecstacy"は発売当初からファンの間で評判が良く、ルーの持ち味であるシンプルなロックンロール、そしてメロディ・メイカーとしての本領も発揮されている曲が多い作品。
ルー自身も自信があるのか、なんと9曲も新作から演奏されたのが、「俺は今でも現役のアーティストなんだぜ」という態度の表明にも思えて格好良かった。
実際、どの曲も、"Turn To Me"、"Small Town"、"Romeo Had Juliette"といった過去の名曲と上手く溶け込んでいるんだから凄い。
特に"Modern Dance"や"Ecstacy"は早くもルーの新たな古典になったと言っても過言ではないでしょう。
ちなみに"Ecstasy"収録曲の演奏はどれもアルバムに忠実なものでした。

"Small town"は、スタジオ・バージョンではジョン・ケイルによるピアノ伴奏が主体でしたが、今回はエレクトリック・ギター主体。
曲のテンポも安定しており、個人的にはライヴ・バージョンの方に軍配を上げます。
本編最後の"Set The Twilight Reeling"は、途中からフェルナンドによるベース・ソロになり、早弾きに大歓声でした。

しかし、1番盛り上がったのはアンコールです。
拍手に導かれて戻ってきたルーが弾いたのは"Sweet Jane"!
それまでは大半の観客が座っていましたが、あの最高の出だしが始まった瞬間、総立ち状態、ダンス会場と化しました。
今まで観たライヴの中でも、あの時の興奮は特に凄く、筆舌に尽くしがたいです。
演奏自体は、"Live In Italy"のように、シンプルで力強いものです。
"those a different times"の部分の、ちょっと溜めた歌い方が良かった。
2番で、"Sweet Jane"と歌う部分を1回だけ休んでいたのもご愛嬌。

続く"Vicious"〜"I'm Waiting For My Man"〜"Vicious"のメドレーで、気分は60〜70年代にひとっ飛び。
その後、"One more song?"との問いかけに歓声で応えるファンにプレゼントされたのは、美しくも哀しいメロディーの"Perfect Day"。
終演後も会場では声にならない溜め息が漏れていました。
それは、まさしく観客全体が、「まだまだロック出来るんだぜ!」というクールなルーに感動し、圧倒された証拠だと思います。


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