Mr.Win's Room

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The Rolling Stones

 

"Bridges To Babylon Tour"
東京ドーム 1998年3月14日

-setlist-
1. (I Can't Get No) Satisfaction
2. Let's Spend The Night Together
3. Flip The Switch
4. Gimmie Shelter
5. Anybody Seen My Baby?
6. 19th Nervous Breakdown
7. Saint Of Me
8. Out Of Control
9. Star Star (internet vote)
10. Miss You
-Band Introduction-

11. Thief In The Night (Keith)
12. Wanna Hold You (Keith)

-Center Stage-
13. Little Queenie
14. You Got Me Rocking
15. Like A Rolling Stone

16. Sympathy For The Devil
17. Tumbling Dice
18. Honky Tonk Women
19. Start Me Up
20. Jumpin' Jack Flash

(encore)
21. You Can't Always Get What You Want
22. Brown Sugar


【感想】
このライヴは、私が初めて(自分の意思で)行ったライヴで、今でも鮮明に覚えています。
Windows95の登場以来、パソコンユーザが劇的に増え、インターネットも徐々に普及しつつあった当時ですが、高校生だった私は、アナログな人間で、ストーンズの来日を知ったのも新聞か雑誌かでした。(まさかその後、企業の情報インフラ管理をやるようになるなんて夢にも思っていませんでした(笑))
それまでライヴというものに行ったことが無かった私は、どうすればチケットが取れるかも分からないような初心者。
ひとまわり以上歳が違うベテラン音楽仲間に、ローソンでの電話予約を頼み、なんとか2階席を入手。
当日までの数ヶ月間、興奮で他のことを何も考えられなかったのを覚えています。

当時、私にとってストーンズが最大のスターで、毎日のようにアルバムを聴き、ライヴ映像を観てはワクワクドキドキでした。
そんな私が初めてリアルタイムで買ったオリジナル・アルバムは本ツアー・タイトルでもある"Bridges To Babylon"。
・・というわけで、「あぁ、"Saint Of Me"は絶対にやるだろうな」とか、「"Always Suffering"も登場して欲しいなぁ!」等と思っていたわけです。
また、故・ブライアン・ジョーンズが大好きなので、「60年代の曲も沢山演らないかなぁ!」とも思ったり。
来日前にはレコード・コレクターズの増刊号でストーンズ特集が組まれ、収録されていた"最近のライヴ写真"を見ては「これがもうすぐ生で観れるんだ!」と思い、ライヴの途中でセンター・ステージがあるらしい、という情報を読んでは、"何が起こるんだろう!"と一人興奮したり。
とにかく、毎日がストーンズ一色で、それはとても素晴らしい体験でした。
情報が迅速に手に入る今はとても便利ですが、一方で、知らないでいる楽しみ、限られた情報から想像する楽しみというのが減ってしまったのは少し寂しい気がします。
だから、私は今でもなるべく当日まではセットリストを見ないようにしています。もっとも、親切な方が情報を提供してくれて、嫌でも知ってしまうことも多いのですが(笑)

そして当日。
東京ドームで、まず会場外のグッズ売場に。パンフレットを買い、会場へ。
2階ながら、ステージ全体が見える中央寄りの席なのでひとまず安心(ただ、実際にはチャーリーが殆ど見えなかった……)。
あとは開演まで、一緒に来た音楽仲間とストーンズ話で盛り上がること1時間近く。
そして会場が暗転。 同時に観客が総立ち!
会場に流れていたジャングルっぽい音楽が大きくなり、ステージにはまさに"Bridges To Babylon"を模倣した建物が。
そして、スクリーン上に映し出された隕石が画面いっぱいにぶつかり、爆音がした瞬間、"Satisfaction"のイントロが流れ、元気よく飛び出したミックが歌っている!!
遂に最強のロックンロールショーのスタート!
豆粒程の大きさ・・でも、目の前にミックが、キースがいる・・・!
初めてのライヴで、憧れのスターを見た瞬間の感動。あの時の感動は、恐らく、これからどんなライヴに行ってももう体験出来ないでしょう。
後はもう踊りまくりです。
それと、感動の産物か、私にはミックが着ていた衣装が、"Gimme Shelter"のライヴ映像で着ている衣装とダブって見えたのです。
勿論、(後に、コレクターズ映像で確認したところ)普通の衣装だったのですが、目の錯覚か、視力の悪さが良い幻覚を生んだのか(笑)、私には70年代のままのミックが出てきて元気良く歌い踊る姿を観たような感覚でした。

"Satisfaction"に続き、これも60年代の名曲"Let's Spend The Night Together"が2曲目!
出だしはチョット遅れたものの、"パラララッパッパッパラ〜ラ"とキースが歌ってる!
この曲が終わり、大歓声の中、ミックが「コンバンハ〜、トーキョー、日本に帰ってこれて嬉しい。OK, this next one is "Flip the Switch" !!」と最初のMC。ミック、日本語上手いなぁ!(笑)
"Bridges To Babylon"からの1曲目は、アルバムでも1曲目の"Flip The Switch"か!と思いながら、パントマイム的な動きをするミックに目が釘付け。そして、歌い終えてからミックが一息つき、歓声が一際大きくなると、これも何度もCDで聴いたイントロが・・!
"Gimme Shelter"の登場です!
この曲では何が凄かったかって、リサ・フィッシャーの声量!
当時、公式アルバムしか聴いていなかった私は、("Let It Bleed"以上に強烈な)中盤の、リサ単独の部分を初めて聴き、それはもう鳥肌もんでした。
"Forty Licks"ツアーでも凄かったけど、やっぱり、この日が一番衝撃的でした。
歌い終わって、ミックが"リサ!リサ・フィッシャー!"と紹介し、その後"楽しんでる?"と日本語で一言。観客が声援で応えます。

キース、ロニーのギターの交換が終わり、始まったのは、これも"Bridges To Babylon"から。"Anybody Seen My Baby"。
中盤のラップ調の部分で"Tokyo"と歌っていて、ここでも盛り上がります。

そしてこの後登場したのが"19回目の神経衰弱"!
これも60年代の名曲だ!ミックとキースがお互い、側に立って(肩も組んで)一緒歌ってる!というわけで、ここでも大興奮でした。
そして・・・

"次は新曲です"

"Saint Of Me"登場!!"Bridges To Babylon"の中で最初に気に入ったのがこの曲でした。
ポップで分かりやすい・・そして格好良い曲だと思います。
当時読んだインタビューで、ミックが「90年代のストーンズを代表する曲だ」と言っていたのも納得。
"I said yeah! oh yeah! oh yeah!"の部分は、手を目一杯振り上げて客席も一緒に歌いました。

この後、確か衣装を変えたのかな?、少しミックがステージから遠ざかって戻って歓声→静かに"Out Of Control"のイントロが!
"I was young..."から感情が爆発するまでの盛り上がり方にゾクゾクし、踊りまくるミック、クールに演奏するキースのキメポーズに熱狂し・・今だにこんなに展開を作れてしまうストーンズは凄い!と思うことしきり。

この後が、インターネットで行っていた楽曲投票による選曲です。
ミックが"ウェブサイトを見てみよう〜"と言って、スクリーンにインターネット投票結果が映し出され、それを見ながらミックが掲載された曲を少し口ずさみ、1位は……。

"Star Star"

ここでも大きな歓声が!ミックが多少歌いづらそうにしてた気がしますが、ロニーも頑張ってたなぁ。
尚、この部分で、来日他の日では、"Under My Thumb"や"Time Is On My Side"も登場したようです。(それも観たかった……

「一緒に歌って下さい」

ミックがそう言ってから演奏されたのは、中盤の定番曲"Miss You"
ミックとリサ・フィッシャーのエロい絡みもあり、"We said ho~~~!!"、"mamama~~ma~~~!"、そして・・・
"Tokyo, are you ready??"
イエ〜!
"HoUuuu~~~~~""の部分を一緒に歌い、大満足。
ボビー・キーズも渋くキメてました。

この後、「バンドを紹介します」と言って、ミックが、バーナード・ファウラー、ブロンディ・チャップリン、リサ・フィッシャー、チャック・リベル……という順番で紹介していきました。
リサの時は、「恥かしがりやね」と言ってました。
ベースのダリル・ジョーンズの紹介が終わり、ストーンズ・メンバ−の紹介は・・・

「キチガイなギター、ロニー・ウッド〜!」
おどけたポーズを取るロニー。

「ドラムスは、静かなドラマー、チャーリー・ワッ〜ツ!」
観客の大歓声!

そして・・・
「ギター、キース・リチャーズ!」(ミックが形容詞つきで紹介してたんですが、よく聞こえませんでした)

キースがステージ中央に立ち、「よ〜、Tokyo! new song...old story...called "Thief In the Night"!」

というわけで、キース・コーナー1曲目は、まず"Bridges To Babylon"から"Thief In The Night"です。
"Bridges To Babylon"では、キースの曲は、この曲と"You Don't Have To Mean It"が好きだったので聴けて興奮。
初めて生で聴くキースのヴォーカルにも興奮。
ぶっきらぼうな立ち振る舞いも格好良すぎ。

キースの2曲目は、明るく勢いのあるナンバー"Wanna Hold You"。
これもポップで好きな曲なので、ノリノリでした。

さぁ、キースコーナーが終わると次は・・・!!
なんと、ステージから会場中央のセンター・ステージまで巨大な橋、まさに"Bridges To babylon"が伸びてくるじゃないですか!
橋を渡って、観客の溢れるステージに向かうメンバー。おお!チャーリーの姿もよく見えるぞ!
中央で始まった1曲目は"Little Queenie"!
ライヴハウス的な極上のロックンロール・ショーのスタート!!
"Go!Go!Go!"ミックと一緒に、手を突き上げダンスパーティと化す会場。
ご機嫌なキーボードの音色に、キースやロニーのギターがねっとりと絡みつく。
チャーリーは、涼しげに叩いてる。

そして、個人的には90年代ストーンズの代表的ナンバーはこの曲!"You Got me Rocking"!
"Hey, Hey, You Got me Rocking!"
怒涛のロックンロール!ノリまくり!そのトドメはDylanのマスターピース、"Like A Rolling Stone"!

"How does it feel??"

私は、Dylanよりも先にストーンズが歌う"Like A Rolling Stone"を生で聴いたわけです。
最高のセンターステージが終わり、メンバーは再びメインステージへ。
この間、聞き覚えのあるリズムが・・・。着替え終わったミックが、"アオッ!"と叫んでいる。
"Sympathy for the devil"だ!!
目の前で"悪魔を憐れむ歌"が歌われてる!
"フッ・フッー!"と歌いながら、ここでも踊っていました。

"Wo~~w Wo~~~w!!"

相変わらず元気なミックが観客を煽って"Tumbling Dice"が始まります。
ここから怒涛のヒット曲が続くというのは知っていたのですが、個人的には"え!もうライヴの後半になってたの!?"と思いました。
それだけ圧倒的な力で、ストーンズの世界に引き込まれていたのです。
時間が経つのが本当に早く感じられました。私の中ではまだ20分ぐらいしか経っていないような感覚だったんだから。

"Honkey Tonk Women"では、キースのキーボード蹴りも観れました!
"Start Me Up"では、腕を思いっきり天に突き出して、後半は一緒に歌って・・。
そして"Jumpin' Jack Flash"!!!!

この怒涛の定番曲を、初めて生で聴いた感動は言葉には言い表せないです。
各曲が始まる時に沸き起こる歓声も凄かった。
東京ドームって、音は悪いけど、沢山観客が入って熱狂した時のエコーがかった歓声は、やはり独特のものがあります。

でも、同じぐらい感動したのが、本編終了後、クールダウンして穏やかに始まったアンコールの"You Can't Always Get What You Want"。
ホーンの音色、それにステージのを照らすライトの色合いも本当に綺麗で、輝いて見えましたよ。
キースがコードを弾く姿を目に焼き付けつつ、ミックと一緒に"You can't always get what you want"と歌い、スピードアップする後半で、手拍子をして……。 まさにハイライトでした。

そして大ラストは、"Brown Sugar"。
ずっとずっと映像で観ていてやりたかった"I said yeah! yeah! yeah! ho~~~~!!"のジャンプが遂に出来た!
もう、最高!!
最後の最後まで、熱狂し通してライヴ終了。
終わってからは、余韻が残っていて、しばらく会場で立ち尽くしてました(笑)

そして、ライヴ終了後の数ヶ月間、またストーンズを体験したい!あの瞬間に戻りたい!という気分のまま放心状態が続いたわけです(^^;)


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